昨日このブログを見てくださった方から、こんな質問が届きました。
射会では12射3中したら良い方です…
せめて5割は中てたい。」
矢所が定まれば、自分の射の欠点が見えやすくなります。
ところが毎回バラバラの方向に行ってしまうと、どうしたらいいのか分からなくなりますよね。
今回は、矢所が定まらない3大原因についてお話します。
本ページはプロモーションが含まれています
スポンサーリンク原因①角見の甘さ
矢所が定まらないのはなぜか?
原因の8割は手の内にあります。
和弓は構造的に離れで回転(捻り)しないと弓と矢が接触してしまいます。
そうなると、どんなに綺麗な射型でも安定しません。
逆に言えば、どんなに下手な射でも角見さえできれば矢所は定まります。
肘が回ってなくても、口割りが5センチぐらい離れていてもです。
矢所が定まらない人は、まず手の内の改善が最優先。
腕や顔をうつこともなくなるし、これだけで的中率が5割に達する人もいるほど重要ポイントですよ。
角見というと、親指で弓をひねるように押し込むイメージをする人がいますが間違いです。
弓に捻り(回転)の力を与えるのは小指の締めです。
手の内を作る時、腕・弓・弦が正三角形になるようにセットしますよね。
この状態をキープできれば自然と弓に回転しようとする力が生まれます。
ところが、小指の締めを忘れると徐々に弓が手の中でズレてしまう…
いつの間にか真正面から握っている状態になるのです。
こうなると、弓返りなんて夢のまた夢。
矢は飛んだ瞬間に弓と接触し、どこに飛ぶかは運次第です。
以前「手の内で親指が曲がる原因」でもお話しましたが、小指の締めは離れまで意識し続けてください。
引き分け中、小指の締めを忘れていませんか?
会に入ったとき、手の内を意識したことはありますか?
小指の締めが抜ければ、どんな達人も的中率は激減します。
特に的中率が5割を切っている人は絶対に忘れないでください。
原因②大三で休んでいる
小指の締めができれば矢所は定まると思います。
ただ、それだけが原因ではありません。
2つ目の原因は、大三で休んでいることです。
言い換えると、あなたの射法八節が大三で途切れている。
どういうことでしょうか?
打ち起こしをすると、どうしても肩が上がりやすいですよね。
大三で息を吐いて、肩を落とすという人も多いと思います。
実はここに落とし穴があるのです。
肩を落とすのは良いのですが、同時に休んでいませんか?
大三で休んでいる暇はありませんよ。
八節という言葉で誤解しやすいのですが、射法八節はバラバラの「8つの動作」ではありません。
全ての動作はつながっているし、流れが止まることはありません。
一息ついて肩を落とす瞬間も、本人にしか分からないぐらい小さく押し広げ続けなくてはいけません。
止まっているように見えても、足踏みから残身まで「一つの流れ」です。
休むと取り戻せないことっていっぱいあるんですよ。
先ほど話した手の内もそうです。
手の内は作って終わりではありません。
大三でも小指の締めは外せないし、引き分けを始めても意識し続けなければいけません。
特に会で肩が上がりやすい人は、大三で押し開く動きが止まっている可能性大。
自分だけが分かるぐらい少しずつ、ジワーっと押し返しながら自然な流れで引き分けにつなげることが大事です。
原因③弓に負けている
小指の締め・大三についてお話しました。
最後の原因は、弓に負けていることです。
大きく引けない人や、会で縮みやすい人は矢所が不安定な傾向があります。
射が小さい人や会で縮みやすい人は、引き分けの過程で不自然な動きをしています。
特に右手を早くから顔に引きつけて下ろしている人が多いですね。
これでは大きく引けません。
会で縮みやすい人は、右手を体に引きつけてから器用に修正して会まで持っていったことが原因です。
誤魔化した分の矢尺だけ、会で縮んで戻っていると言えばいいのでしょうか。
引き分けで右手が体に近すぎる場所を通ると、歪みが出てきます。
心当たりはありますでしょうか?
さらに詳しく知りたい人は「会が縮む人へ」をご覧ください。
5割はすぐに達成できる
いかがでしょうか。
3つの原因に触れましたが、矢所が定まらない理由の大部分は角見の甘さです。
手の内の小指の締めが離れまでに一瞬でも途切れるとダメです。
矢所をまとめたいなら十分に意識してください。
小指の締めができるようになれば、前に外すことはほぼ無くなりますよ。
これだけでも的中率が大きく変わると思いませんか?
多少肘が回ってなくても5割ぐらいの的中率は達成できます。
小指の締めはあなたが意識するかどうかです。
頑張ってくださいね。
ただし、手が小さい人は苦労するかもしれません。
その場合は「手の小さい人の手の内」をご覧ください。