当ブログでは、たびたび弓道についてお話しています。
今回こんな質問が届きました。
なぜでしょうか?」
弓返りの良し悪しは的中率に直結する問題です。
弓返りできない人は弓が矢に接触して矢が前に飛びやすく、矢勢が弱くなります。
ところで、弓返りにも2種類あるというのをご存知でしょうか?
今回は弓返りに焦点をあててお話しします。
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スポンサーリンク2種類の弓返りとは?
弓返りで矢所が乱れる。
それは間違った弓返りだからです。
実は弓返りには2種類あります。
・手首と握力の力加減による弓返り
私はこのブログで何度も手の内の小指の重要性をお伝えしてきました。
小指を緩めることなく最後まで締め続ければ、自然と正しい弓返りに近づきます。
しかし、単に「弓を回すだけ」ならもっと手っ取り早い方法があります。
手先が器用な人は、力加減を調整して弓返りさせたくなるのです。
それこそが手首と握力の力加減による弓返り。
的中率が4割~6割を行ったり来たりしている人に多いように思います。
この弓返り、やってる本人は気持ちいいのです。
離れの瞬間に手の内の力みを解放。
↓
弓の力に逆らわない離れが完成する…気がします(気がするだけ)。
満足感はあるのですが問題があります。
この弓返りの最大の弱点は安定性に欠けること。
↓
・手の中で弓を回転させ、手首を弓の回転方向に振る
↓
・矢が狙いから外れないように制御
↓
・弓が落ちないようにキャッチ
このような複雑なことを一瞬で同時にしなければいけません。
これで10割中たるなら神業です。
手首を振ったり手の内を緩めるということは、一瞬とは言え弓から手を離している状態です。
離れで弓から手を離して安定するでしょうか?
皆中のあと、残念や1中が出てしまう人はこのタイプの可能性が高いですね。
1日の中で好調・不調の波があるなら改善が必要です。
中指で弓を握ると失敗する
あなたは手の内を作ったあと、どこに力を入れていますか?
中指にギューッと力が入る人は間違っています。
手を見てください。
中指や薬指にマメができていないでしょうか?
中指で弓を握ると、正しい弓返りはできません。
こんなデメリットがあります。
・離れで手の内の力を抜かないと弓が回転しない
中指で弓を握ってしまうと、どんなに力を込めても弓がズレてしまいます。
こうなると弓返りしません。
手の内を作る時、弓を斜めから握りますよね。
これは弓に捻りの力を加えて自然と回転させるためです。
射の途中でズレれば回転力は生まれず、弦は顔や腕に向かって戻ります。
弓が回転しなければ、離れの瞬間に矢と接触して前に飛びます。
そこで本能的に手首や力加減を調整して、回転力を作ろうとするのです。
これではいつまで経っても上達しません。
小指を締めると良いこといっぱい
正しい弓返りを実現するために重要なのが小指の締めです。
私は上押しよりも大事だと思っています。
手の内を作ったら小指だけに集中してもいいぐらいです。
残身まで小指を締め続けること。
これができれば弓に自然と捻りの力が加わるので、余計なことをしなくても矢所が安定してくるはずです。
他にも小指を締めると良いことがたくさんあるんですよ。
・虎の口の負担が減る
・下筋を伸ばす感覚が分かる
中指に力を入れて握ると、どうしても意識は虎の口で押すことに集中してしまいます。
1点で弓の力を押し返すのは大きな負担です。
小指を締めれば、虎の口と小指で弓を支える感覚が生まれます。
弓の力を自然な形で受けとめ、押し返せるので痛みや疲れが軽減するんですよ。
さらに、小指を締めれば下筋を意識しやすくなります。
すぐには無理でも、練習を繰り返せば「下筋で引く」感覚が徐々に増してくるはずです。
だからこそ、私は手の内の小指の締めを重視しています。
器用貧乏を卒業しよう
いかがでしょうか。
弓返りについて思い当たることがあるなら、さっそく手の内から意識を変えてください。
小指だけに集中すれば徐々に変わるはずです。
ここで最後に一つだけ注意点があります。
手首を振るのが癖になっているかもしれませんが、我慢しようとか考えないでください。
離れで「何かしよう」とすると、どこかに歪みが出ますよ。
なぜなら離れは意図して行うものではなく「結果的にそうなる」ものです。
離れで悪い癖が出るなら、原因はその前段階までにあります。
足踏みから一つ一つ見直すことが、結果的に離れの改善につながっていきます。
離れだけを意識して悩んでも無駄です。
今回の手首を振ってしまうという点を直したいなら小指を最後まで意識すること。
やるべきことは案外シンプルなものです。