先日「弓道やれば身長が伸びる・伸びない?」という話をしたところ、こんなコメントが届きました。
弓道は高身長のほうが有利になりますか?」
スポーツの世界では身長が高いほうが有利になることが多いです。
果たして弓道ではどうなのか?
実例を交えながらお話したいと思います。
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スポンサーリンク有利とは言えない
まず結論から言います。
高身長は、有利ではないし不利でもありません。
以前「弓道は身長が低いと不利になる?」でも紹介しましたが、小さいおばあちゃんが高身長の男子大学生に勝っても珍しくありません。
弓道では普通にあることです。
だからと言って、身長が高いと上達しにくいということもありません。
男女差や体格差に関係なく、対等に競い合える。
弓道ならではの魅力だと思います。
ただし、全体として見れば有利・不利はありませんが、部分的に見れば有利な面や不利な面もあります。
正確には有利・不利ではなく、便利・不便という表現が適切かもしれませんが…
高身長ならではの「あるあるネタ」に触れておきます。
手が大きいと手の内は作りやすい
弓道では弓を握る左手の形を「手の内」と呼びます。
手が大きい人は、小さい人に比べると正しい手の内を作るのに有利です。
手が小さい人は、正しい握り方をしたくても物理的に指が届かないことがあります。
私も手が小さいので、小指の使い方には人一倍神経を使いました。
手が大きい人は余裕がある分、練習すれば良い形で握ることができるでしょう。
そういう意味では有利かもしれません。
矢勢が良くなるは誤解
よく誤解されがちですが、高身長だからと言って矢の勢い(矢勢)が良くなるということはありません。
矢の速さ・勢いは身長よりも、弓の強さや手の内に影響されることが多いです。
高身長の人のほうが引き幅が大きいですが、影響は微々たるもの。
体格が良いからといって、有利さを感じることは少ないと思います。
道具選びで不利になることも
高身長の人で不利になることがあります。
袴や弓などの道具選びのとき、合うサイズが見つからないという点です。
身長が180cm台なら大して問題ないのですが、190cm台になると大変です。
弓具店にもよりますが、在庫がなくて取り寄せになることがあります。
道着や袴、矢はまだ良いです。
問題は弓です。
身長180cm以上、矢束105cm以上なら「四寸伸」という長い弓がおすすめですが、道場や学校の所蔵の弓では四寸伸は少ないです。
身長が190cm以上となると、さらに長い「六寸伸」も欲しい。
でも、ほとんどの場合は身長170cm以上の人が使う「二寸伸」で練習していることが多いです。
弓選びで苦労するかもしれないということは、頭の片隅に入れておいてください。
高身長は猫背に注意
最後に、高身長の人が注意してほしいのが猫背です。
私の周囲で身長が高い人達を見ていると、最初は正しい姿勢を維持するのに苦労しています。
弓道は体のバランスを非常に重視しています。
猫背になると、バランスが整わず的中率が低下する要因になってしまうからです。
高身長の人は知らず知らずのうちに猫背になっていることが多いので、普段から姿勢に注意してください。
お腹を凹ませて歩く癖をつけると、猫背改善に役立つそうですよ。
背が高い人は見栄えが良い
いかがでしょうか。
弓道では高身長だからと言って、有利に働くことは少ないです。
ただし、一つだけ大きな強みがあります。
引いている姿が、とても堂々として見えるのです。
背が低い人が引くよりも見栄えが良いので、イベントの際などでは重宝されることがあります。
体格差を意識せず競い合える弓道。
弓道ならではの楽しさがあるので、ぜひ続けてくださいね。