弓道の万歳離れの直し方!1つずつ原因をさかのぼって改善

昨日、当ブログにこんなコメントが届きました。

「どうしても万歳離れが直りません!」

離れの中では、前離れの次に直しにくい万歳離れ。

原因は複数あるので、一つずつ丁寧に確認していきましょう。

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離れを直すときの大原則

弓道の万歳離れを直したい

まず始めに、離れを改善したいときの大原則についてお話します。

離れに違和感があったら、一つずつ前の段階にさかのぼって見直すこと。

決して、離れを意識して直接変えようとしてはいけません。

離れより前の段階を改善することで、自然と変わっていくものだと覚えておいてください。

弓道人生

離れだけを意識してイジるのは危険です。

弓道人生を左右する可能性があります。

私は今まで何度も、離れを直接直そうとして早気や大スランプになった人を見てきました。

離れをイジって射が乱れると、すぐには戻せません。

よくて3ヶ月、下手すれば何年も違和感と戦い続けることになります。

この辛さに耐えきれず、弓を置いて去っていく人も多いです。

あなたには、そうなってほしくありません。

離れとは、射法八節の集大成です。

「結果的に」離れるのであって、意識して形を整えようとすれば歪みが出ます。

これは前離れなどを直すときも同じ。

離れを改善したいなら、会や引き分けなど前の段階を見直すのが唯一の方法です。

原因その1:会の意識

では、ここからは原因の追求です。

まず確認すべきポイントは、会のときのあなたの意識です。

あなたは会のとき、押すことばかり考えていませんか?

押す・引くのバランスが崩れると、離れが不自然になりますよ。

弓道ではよく、こんな言葉を耳にします。

「引っ張ってはいけない」

「伸び合い・詰合いが大事」

これを聞いて勘違いしている人が多いのです。

全力で押せば良いというものではありません。

会で大事なのはバランスです。

弓道は押しと引きのバランスが大事

押しが強すぎても、弱すぎてもダメ。

反対に、引きが強すぎても弱すぎてもダメ。

今まで的の方向にばかり伸びようとしていたなら、的と逆方向にも伸びようと意識してみてください。

「伸びる」がイメージしづらいなら、最初は左手と右手のパワーバランスを意識しましょう。

会で左右のバランスが整えば、離れはスムーズになります。

原因その2:右肘が高い

弓道と右肘

次は会の前の段階にさかのぼってみましょう。

万歳離れの原因で多いのが、引き分け後に右肘が高いこと。

口割に下りてきたのに、右肘が右肩より高いと万歳離れか緩み離れをするしかありません。

では、右肘を良い位置に定めるにはどうしたらいいのか?

以前「弓道で肘を回すコツ」でもお話しましたが、再確認しましょう。

・押しと引きのバランスを意識

・引き分けで右手の通る位置を遠回りさせる

・右手でギュッと握らない

ここでも、押し・引きのバランスが大事です。

弓道では引っ張ってはいけないと言われますが、引きがゼロになってはいけません。

大事なのは左右のバランスです。

右肘が下りない人は、引きが負けています。

押し:引きを5:5のつもりで引いてみてください。

押し負ける感じがしたら、6:4や7:3のイメージで調整します。

感覚的な話なので分かりにくいかもしれませんが、要は左右のバランスが均等にとれているかが大事。

押し100%では窮屈な射になるし、離れもスムーズにできません。

弓道で押すと引くのバランス

引き分けの右手の通り道も大事です。

矢に沿って真っ直ぐ引くのが原則ですが、「あなたが思う真っ直ぐ」が間違っている可能性が高いです。

引き分けで右手と体の空間が十分にあいていれば、肘は下ります。

遠回りに感じる動かし方が、実は正しい位置だった…というパターンですね。

(詳細は「大きく引くコツ」参照。)

最後は右手の使い方です。

これは原因その3や原因その4にも関係しています。

本来、右手は弦を引っかけているだけ。

ギュッと握る必要はありません。

ところが大三の位置が悪かったり、取懸けで間違っていると右手や右手首で弓の力を受けとめてしまいます。

意識して右手の力を抜けるなら良いですが、大抵の場合は大三や取懸けを修正する必要があります。

原因その3:大三の位置が高い

弓道と大三

次は引き分けより前にさかのぼってみましょう。

斜面・正面の違いはあれど、大三の基本は同じ。

押し大目・引き三分の一を作ることです。

ところが、これが思っている以上に難しい。

的中率が低い人を見ていると、両手の位置が高すぎる傾向があります。

両手を高くすれば引き分けが楽になる気がしますが、デメリットがあります。

右肘で弓の力を受けとめにくくなるのです。

両手の位置が高すぎると、右手で弦を握り込んでしまいます。

結果的に右手や右手首で力を受けとめるしかありません。

こうなると、腕力がない人は射が小さくなるし、肘も回りません。

弓道部

まずは大三の位置を確認しましょう。

おすすめの確認方法は、大三の状態でちょこちょこ引いて戻す練習です。

大三から5センチぐらい引いて戻す。

これを繰り返してみてください。

右肘で力を受けるイメージができますか?

右手首に負担がかかるなら、右手の位置が高すぎるかもしれません。

どうしても右肘で引くイメージできない人は、一度思い切って大三を目の高さで止めてみましょう。

その状態から引き分けを開始すれば、右肘で引くイメージがつかめるはず。

あとは微調整で、無理なく右肘で引ける高さを探します。

研究してみると大三の位置は奥が深いです。

思い込みは捨てて、最適なポジションを研究してみてくださいね。

ただし、先生や先輩に見つかると「真面目にやれ」って怒られるかもしれません。

そこは自己責任でお願いしますね。

原因その4:取懸の右手の親指の向き

弓道と取懸け

大三の位置を調整しても、右手で握り込んでしまう人がいます。

その場合は取懸が間違っている可能性が高いです。

ポイントは、右手親指の向きです。

取懸完了後に右手はどこを向いていますか?

取懸けの右親指の向き

取懸けでは、右手親指は的方向を向くのが正解。

親指を弦と弓の間に入れ込んで、上座の方向を向いていたらダメですよ。

親指は握り込むのではなく、弦に押し当てるだけ。

ここで間違うと、離れまで全部影響します。

詳細は「取懸に違和感がある人へ」をご覧ください。

離れと呼吸の関係は?

弓道と呼吸

離れについて色々な人と議論していると、必ず出てくるのが呼吸の問題です。

「離れが悪いのは呼吸が悪いからだ」と言う人もいます。

息を吸って離れたり、止めて離れると力みが出る…という理屈です。

ゆっくり吐きながら離れるのが正解とのこと。

さて、実際のところは?

私は呼吸が原因説には疑問を持っています。

そもそも、離れるときに息を吸っている人はほとんどいません。

止めている人に吐き続けるよう指示しても、万歳離れが劇的によくなるのを見たことがありません。

ただ、実際に「呼吸を意識したら良くなった」と言う人達も大勢います。

嘘をつく理由もないので真実なのでしょう。

一体なぜ?

私が考えた仮説はこうです。

呼吸を意識することで、普段何気なくやっていた「間違った思い込み」による動作が減った

人間って一つに意識すると、他のことへの注意がいかなくなりますよね。

これがいい具合に作用したのではないでしょうか。

無心に近いのかもしれません。

無心で引くのは難しいですが、呼吸だけに集中しろと言われればできるような気もします。

ぜひお試しください。

流れを無視して離れを意識するのは危険!

弓道の流れは川の流れに似ている

いかがでしょうか。

万歳離れを直すには、射法八節のあらゆる点を点検するのが大事です。

何気なくやっている小さな癖が、実は的中率を大きく左右しているかもしれませんよ。

特に取懸けは油断しがち。

自分の癖について、じっくり点検してみましょう。

最初にも言いましたが、離れだけを意識するのは危険を伴います。

離れは射法八節の集大成です。

射法八節の流れを無視して、離れだけどうこうするものではありません。

足踏みの瞬間から、離れの準備は始まっている。

そのつもりで丁寧に射法八節を見直しましょう。

>>弓道にランニングは必要なのか?実はこんなメリットがある

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