自分は一生懸命練習してる!
なのに、全く上達しない…
その気持ち、とてもよく分かります。
自分の半分も練習していない人が自分より中たる。
試合でいつも負ける。
悔しくて練習量を増やしても、結果がついてこないんですよね。
私もそうでした。
今回はそんな人のために、私自身の経験から上達するためのコツをお話したいと思います。
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スポンサーリンク半矢が精一杯だった頃の非効率な練習法
弓道でトントン拍子に上達する人は少ないのではないでしょうか。
私も最初はそうでした。
長い間「半矢の壁」で行き詰まっていたんです。
試合で12射しても、4中ぐらいが普通。
調子が良くても、6中か7中ぐらいという時期がありました。
その頃の私の練習のルーティンはこんな感じです。
・時間がある限り的前練習
・休憩と気分転換で素引きや手の内
私の高校時代の弓道部は自由練習がほとんど。
練習メニューというものが存在しませんでした。
そのため、巻藁をちょこっとしたら的前でずっと射ってました。
最低でも1日100射以上は練習してたと思います。
休みの日は、それこそ朝から夕方まで体力が許す限り的前に立っていました。
でも、今思うと非効率すぎました。
当時の自分なりにあれこれ考えたり、先生・先輩・友達にアドバイスを貰いながら練習していましたが…
数を引いても全く上達しませんでした。
的中率が7割に向上したきっかけ
「練習すれば上達するはず」
この思いだけで突っ走っていた私ですが、ある時期を境に的中率が大きく変化します。
高1の12月まで:的中率4割~6割
高1の1月から春:的中率1割
高2の5月以降:的中率7割以上
高2の夏:40射38中を記録(自主練習中)
私の弓道人生は、高1の冬休みが最初のターニングポイントでした。
的中率が一気に1割になりましたね。
実は年末の最後の練習日に、右肩を壊したんです。
「二張引き」って知ってますか?
2つの弓を重ねて、まとめて素引きするんです。
これで私は肩を壊しました(泣)
当時の地元の弓道協会に師範に「やれ」と言われれば断れません。
やる前から嫌な予感はしていたのですが…
結局、当時の私の未熟な射では15キロの弓2張をまとめて引くのは無理でした。
骨で引ける上級者ならできるらしいですが…
(真似しないように)
冬休みが明けた直後は、小学生用の5kgの弓すら引くのが厳しい状態。
まともな練習ができない日々が続きました。
当時は辛かったですが、今では幸運だったと思います。
この期間中、私は自分の射の見直しを徹底的に行うことができました。
見直しの重要性を理解したことがきっかけで、的中率が安定して7割を超えるようになったのです。
3つの見直しで的中率7割へ
私の的中率が大きく向上したのは、見直しを徹底したおかげです。
特に効果が大きかった見直しは、次の3つです。
・引き分けの方向
・手先の力の使い方
これら3つを見直した結果、私の的中率は目に見えて向上しました。
そしてこの3つのポイント、私以外の人にも有効だったんです。
私に1週間コーチする時間をもらえれば、あなたの的中率を5割~7割に上げる自信がありますよ。
関西の人はお声掛けください、交通費と食事代は請求しますが(笑)
それはさておき、具体的にどう見直したのかが気になりますよね。
詳しくお話します。
見直し①足踏みと腰の動き
射法八節は足踏みから始まります。
正直な話、あなたは毎日足踏みのことを考えていますか?
私が的中率5割以下だった当時は、足踏みはほとんど無意識にやっていました。
ところが、右肩を壊して練習を見学しているときに気づいたんです。
弓道の足踏みは、つま先が的の中心線にくるように立ちますよね。
あなたの足踏み、本当に真っ直ぐになっているでしょうか。
足踏みの方向がズレていると、人の体は無意識のうちの腰を動かして調整するみたいなんです。
右に腰を捻ってみたり、左足体重になったり…
反ったり伏せたりするのも、足踏みの歪みが原因であることが多いです。
「私の足踏みは真っ直ぐになっている」
そう思っている人はちょっと待った!
実は、ほとんどの人の足踏みは最初は真っ直ぐなんです。
体配中に癖で動かしている人がいるんですよ。
胴造りを入れるときにモゾモゾしたり、取懸けに移るときにじわ~っとズラしたり…
意外と動いてる人が多いですよ。
足踏みを確かめる方法は簡単です。
離れた直後に、つま先に沿って矢を置く。
真っ直ぐになっていなければ改善が必要です。
ほんの少しでもダメですよ。
腰の動きについては、的前で意識するのは難しいかもしれません。
素引きや巻藁練習の際に、腰だけを意識して練習する時間を作りましょう。
左に捻って左肩が抜けている人。
色々な人がいますよ。
腰の動きを改善すると、肩のラインが整いやすくなります。
案外、「棒立ち」で射るほうが正しい射型に近くなることも…
思い込みを発見するためにも、毎日チェックする時間を作るべきです。
見直し②引き分けの方向
引き分けに注目しない日はありません。
あなたも毎日、引き分けについてあれこれ考えていることでしょう。
ところで、引き分けを開始する際はどの方向に動かしていますか?
「押し先行で自然に」
「矢に沿って」
「真っ直ぐ」
これらは正しいのですが、間違った思い込みを生みやすいので注意が必要です。
上手な人と中らない人をよく見比べてください。
大三から引き分けに移る瞬間の動き、全然違うはずです。
自分では真っ直ぐに引いているつもりでも、体に引きつけたり単に手を下ろしたりする人が多いです。
射が小さい(矢尺が短くなりやすい)人は、思ったよりも外に向かって遠回りするように引くのが正しいかもしれません。
右手が縦になる人はその逆ですね。
「射型はキレイなのに中らない」という人も、引き分けの初動に癖があることが多いです。
引き分けは初動を間違えると的中率がガクッと下がります。
あなたの意識する正しい引き分けは本当に正しいのか?
引き分けを開始した瞬間の自分の手の動き、意識してみてください。
見直し③手先の力の使い方
3つ目のポイントは、手先の力の使い方です。
手先と言えば手の内です。
でも、それだけではありません。
確かに手の内は大事です。
以前「弓道の離れで眼鏡が飛ぶ人へ」でもお話しましたが、小指の締め方を意識するだけで的中率が大きく上がる可能性があります。
手の内についてはそちらの記事をみてもらうとして、問題は右手です。
右手は手首の形などは意識するかもしれませんが、指の力の入れ具合を意識したことはあるでしょうか。
的中率が低い人を見ていると、取懸けをした瞬間から力んでいる人が多いです。
右手をモゾモゾして何度も握り直している人、いますよね。
綺麗な形で取懸けをしていても、力の入れ方を間違っていれば射型に影響します。
私の場合は、右手の親指の使い方を意識してから離れが劇的に変わったことがありました。
詳しくは「弓道の前離れの直し方」をご覧ください。
練習の手順も変えました
今回3つの見直しポイントを紹介しました。
もちろん、この見直すポイントはこの3つだけではありません。
常に正しいと思いこんでいる部分がないかチェックする必要があります。
私は見直しの大切さに気づいてから、練習の手順を大きく変えました。
②素引きで手の内を確認
③巻藁で右手の力の入り具合を確認
④的前で引き分けの初動を意識
⑤テーマを決めて人の射を見学
⑥総仕上げ
このような流れで、①から⑥までを繰り返す練習を行いました。
特に、テーマを決めて人の射を見学するのは勉強になります。
見るポイントを絞るのがコツですね。
「今日は背中に注目しよう」
「左肩の動きを見比べよう」
こんな風に、ピンポイントで人の射型を観察します。
観察するのは、上手い人・下手な人も関係ありません。
色々な人を見比べたほうが、新たな発見があることでしょう。
観察力を鍛えると、気付きが増えて上達の速度が上がりますよ。
筋持久力・体幹トレーニングも大事
弓道は力で引くものではないと言われます。
でも、私の経験上筋トレしたほうが的中率は確実に上がります。
特におすすめなのが、筋持久力を上げるトレーニングですね。
体幹トレーニングのように、姿勢をキープする運動がおすすめです。
私の場合は、腕立て伏せで腕を曲げた状態をキープするトレーニングをよくします。
腕というより、背筋に効く感じです。
毎日少しずつで良いんです。
ちょっとの差が、3ヶ月後・半年後のあなたの弓道を変える原動力になることでしょう。
試合と練習で的中率が大きく違う人へ
いかがでしょうか。
今回は、上達しなくて行き詰まっている人向けに私の体験談をお伝えしました。
上達するためのコツは、あなたの間違った思い込みを見つけること。
正しいと思ってやっていることこそ、イメージと実際の動きにズレがあるかもしれませんよ。
ところで、あなたは試合で実力を発揮できるタイプでしょうか?
試合のときだけ中らない人は、メンタル以外に原因があるかもしれません。
詳しくは「試合になると中らない人へ」をご覧ください。