弓道で見取り稽古の方法は?見る方向別にコツを解説

昨日、当ブログに質問が届きました。

「肩を壊してしまい、しばらく見取り稽古しかできません。

この時間を無駄にしたくないのでコツを教えてください。」

見取り稽古は実際の練習に匹敵するぐらい大事です。

私自身も見取り稽古をキッカケに、グンと成長した経験が何度もあります。

見取り稽古のポイントは?

一緒に詳しく見ていきましょう。

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見取り稽古のポイント

弓道

まず具体的な話をする前に、見取り稽古で何を学ぶのかという点に触れておきます。

私自身はこう考えます。

・力の流れをつかむ

・自分の思い込みに気づく

見取り稽古で何よりも大事なのが、力の流れをつかむことです。

射法八節は8つのバラバラの動作が集まっているわけではありません。

川のように全てつながっているのです。

弓の力は膨大なので、途中で余計な動作をすると取り戻せません。

例えば打ち起こしで力の流れが歪めば、必ず引き分けや離れにも影響します。

離れがおかしいなら、原因は必ず離れより前の段階にあるはず。

見取り稽古でそれを感じ取れるようになってほしいのです。

弓道と見取り稽古

上級者は射法八節中の流れがスムーズです。

しばらく観察すれば離れる前に中るか外れるか分かります。

どうすれば力の流れをつかめるのか?

それは次の項目で詳しく解説していきます。

2つ目の思い込みに気づくこと。

これは弓道を続ける限り避けられない宿命のようなものです。

以前「弓道が上達しない人へ!コツよりも見直しが大事」という話をしました。

弓道では頭でやろうと思っていることと、実際の動作が違うことがよくあります。

そこに気づくことが上達の近道です。

弓道

正しいと思ってやっている動作が、実は間違っていた。

こんなことはよくあります。

「肩の力を抜いたつもりが、胴造りが抜けていた」

「胸を開いて引こうとして、反り腰になっていた」

「肘を張ったつもりが、力んでいた」

思い込みは人それぞれ。

他人の射を見て自分のイメージと重ね合わせる作業を繰り返して、やっと気づけるのです。

正面から見る場合

弓道の見取り稽古

それでは具体的な話に入りましょう。

まずは正面から見取り稽古を行う場合です。

注目すべきポイントはこちら。

・弓の動き(本弭を中心に)

・胴造り(腰の動き)

弓道の見取り稽古では、体の動作よりも弓自体の動きに注目したほうが見えるものが多いです。

最初は弓に注目しましょう。

上級者は射法八節の途中で弓がブレません。

離れまで自然な動きをしています。

逆に下手な人の弓は、しょっちゅうブレます。

特に次の動作に移るとき、弓が上下に揺れたり左右に倒れたりしていることが多いです。

弓が不自然な動きをするということは、その瞬間に力の流れが途切れて歪んている証拠。

弓に注目することで、だんだんと分かるようになってきます。

特に正面から見るときは、本弭に注目しましょう。

本弭のブレが大きくなったら、何か余計な動作をした合図。

弓道の見取り稽古

ポイントが分かれば原因を探せます。

この作業を繰り返して、射法八節への理解を深めていくのです。

弓の動きを見られるようになったら、今度は胴造りに注目してください。

正面から見るなら腰に注目。

余計な動作をするときは、胴造りが抜けて腰が前後に動きがちです。

弓道と見取り稽古

このように、不自然さを見つけることができれば何が自然な動作なのか分かるようになります。

気づいたあとは反省です。

自分自身の射法八節の中で、力の流れが不自然に途切れるポイントを探りましょう。

勝手側から見る場合

弓道の見取り稽古

次は勝手側から見る場合のポイントです。

控えにいるときなど、この視点から見る機会は多いのでよく覚えてくださいね。

注目ポイントはこちら。

・弓の傾きと矢の方向

・つま先

見る方向が変わっても、力の流れを感じ取るのが大事です。

勝手側からは弓の傾きや矢の方向がよく分かります。

まずは体を見ずに弓と矢に注目です。

下手な人は、引き分けの途中で弓が揺れます。

照ったり伏せたりを繰り返しながら口割まで引いてくるのです。

矢の方向もブレがち。

引き分け中に矢が9時や3時方向を向いて、口割で調整している人をよく見かけます。

ブレるということは、その瞬間に力の流れが変わった証拠。

原因となる余計な動作がどこかに隠れているはずです。

つま先に注目するのは、胴造りの確認です。

体重がつま先に行き過ぎて、かかとが浮きかけている人は多いです。

重心が安定していないということは、胴造りが抜けているということ。

不安定になるポイントで何か余計な動作をしているのです。

弓道の弓と足

人の射を見るときは、手や肩周りを見るより弓や足を見るほうが分かりやすいです。

上級者と初心者の違いは何か?

中るときと外すときの射にどんな差があったのか?

見取り稽古の中で発見していきましょう。

背中側から見る場合

弓道の見取り稽古

次は背中側から見取り稽古を行う場合です。

この方向からは全体が見えやすいのですが、ポイントが絞れなくてボンヤリと見てしまいがち。

そこで2つのポイントに注目しましょう。

・弓の末弭の動き

・背中と腰の向き

まずは力の流れをつかむために、弓に注目します。

全体を見るよりも末弭の動きに集中したほうがよく分かると思います。

弓道

余計な動作をすると、弓も連動して不自然な動きをするものです。

まずは弓の先端に注目して、ブレが大きくなるポイントを探ってください。

ポイントが分かれば原因の考察です。

何が余計な動作になっているのか見極めることができれば、自分の射を見直すのに役立ちます。

特に打ち起こし・大三。

ここで力の流れが途切れている人が多いです。

大三で一息ついて休憩している人はいませんか?

肩の力を抜いて落とす動作は、射法八節の流れを分断しがちですので要注意。

弓道

腰や背中の向きに注目すると、正しい打ち起こし・大三か単なる休憩ポイントになっているか分かります。

間違った大三をしていると、腰や背中の向きがズレたり不自然な形になりがち。

これでは的中率が上がるわけがありません。

射法八節は点で考えるな

見取り稽古で大事なのは、射法八節全体を流れとして見ること。

一つの動作だけに注目してはダメです。

本質を見失います。

射法八節は弓の力を無理なく活かすための技術。

1つの動作だけ真似したとしても、あなたの射の流れが不自然になったら失敗なのです。

射法八節中は、完全に止まる瞬間はありません。

常に次の動作に移るための準備をしていると思ってください。

止まって見える大三も、本人にしか分からないレベルで押し分けている途中です。

会も同じ。

止まっているように見えて、0.1ミリ単位で押し開いて離れの準備をしています。

弓に注目するよう言ったのは、動作を点で見ないようにするためです。

弓は離れる瞬間まで休みません。

射法八節が一つの動作だということが、弓に注目すれば実感できるようになります。

下手な人からも学べる

見取り稽古というと、上手な人を見て学ぶというイメージがあるかもしれません。

でもどうでしょうか。

私の経験上、自分と同じぐらいの人や初心者の人を見たときのほうが得るものが多いように思います。

上級者の射は確かにすごいです。

美しさすら感じます。

でも、自分の射を見直すという点ではどうでしょうか。

何をどうすれば良いのか、取っ掛かりがつかみにくい気がします。

上級者の射は、あくまでも見本。

比較対象にするのは良いですが、具体的な気づきを得たいなら自分と同レベル以下の人の射に注目してください。

なぜ不自然な動作が生まれるのか

不自然さを削っていった先に上級者の自然な射があるのではないでしょうか。

復習するまでが見取り稽古

弓道

最後になりますが、念のためお話します。

見取り稽古は単に見て終わりではありません。

見て学んだことを自分の射に反映するまでが見取り稽古です。

必ず復習しましょう。

道具は必要ありません。

徒手稽古で十分です。

自分の射のイメージと、学んだことをすり合わせる。

その中から自然な動作を選び取っていく作業を延々と続けます。

射法八節の自然な流れを邪魔しているものは何か。

弓道は間違った思い込みを発見する作業の繰り返しです。

人がやっている間違いは、自分もやっているかもしれない。

反省できる人は強いです。

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