「引き分けが遅い」
指導者からこんな指摘を受けたことはありませんか?
遅い人なら、引き分けに10秒以上かかる場合もあります。
異様に遅い人は見ていて心配になるほどです。
「遅くて何が悪い」と思っている人もいるかもしれませんが、実はものすごく不利。
なぜダメなのか?
どう改善していけばいいのか?
詳しく解説します。
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スポンサーリンク引き分けが遅いとダメな理由
引き分けが遅いと何がマズいのか?
ざっくり言うと、3つの理由があります。
・手の内がズレやすくなる
・余計な動作をしてしまう
射法八節には流れがあります。
この流れを止めてしまうのが1番恐ろしいことです。
流れと言われてもピンと来ないでしょうか?
言い換えるなら…
「打ち起こし・大三までに準備したことがゼロになる」
例えば手の内。
せっかく丁寧に手の内を整えても、引き分け中に崩れます。
それを修正するために、押手を振ってみたり手首でコントロールしてみたり…
余計な動作が増えていくのです。
手の内だけではありません。
どんなに完璧な打ち起こし・大三をしたとしても、途中からバランスが崩れてしまいます。
本人は丁寧に引いているつもりなのでしょう。
でも、正しいバランス配分を長い間キープできる人はいません。
いつの間にか弓の力に負けて、射法八節が途切れ途切れになってしまいます。
これでは的中率は安定しません。
体への負担も倍増するから、日によって的中率が大きく変動することでしょう。
遅くなってしまう人の特徴
引き分けが遅くなってしまう人には、2つの特徴があります。
・射法八節のつながりを意識していない
あなたは引き分け中に、どんなことを意識していますか?
「肘で押し開こう」
「ここで胸を開いて…」
「肩が上がらないように…」
「弓の中に入るように…」
人間はそんなに器用ではありません。
引き分け中に何か意識するとしても、せいぜい1個まで。
あれもこれもと考えている時点で不自然な動きをしています。
だから引き分けが遅くなるのです。
本来、引き分けの良し悪しは大三までに8割がた決まっています。
射法八節はつながっているからです。
大三までに準備がしっかり整っていれば、引き分けは何も考えなくてもいいぐらいです。
自然と所定の場所に収まります。
引き分け中にあれこれチェックポイントがある人は、頭の中で射法八節がバラバラの動作だと思っているはず。
打ち起こしはこうする。
大三はこうする。
引き分けは…
つながりを意識せずバラバラに対応していると、なかなか上手く行きません。
大三は引き分け・離れの一部。
足踏みも引き分け・離れの一部。
足踏みから離れまでが「弓を引くという1つの動作」であることを忘れないでください。
引き分けを速くする方法とは
では、具体的にはどうすればいいのか?
引き分けを適正なスピードに戻すために、2つのことに取り組んでください。
「引き分け中のチェックポイントは1つに絞る」
「射法八節中に完全に止まらないこと」
まずは意識改革。
引き分け中に考えることを1つに絞りましょう。
例えば私の場合「矢に沿って押し開く」ことだけ意識しています。
正確に言えば、引き分け中というより最初から最後まで「矢に沿って押し開く」しか考えていません。
いきなりシンプルに考えるというのも難しいので、まずは引き分け中だけ1つに絞りましょう。
もうひとつ大事なことは残心まで完全に止まらないこと。
射法八節中は、他人から見ると止まっているように見える瞬間がたくさんありますよね。
でも、止まってはダメです。
本人にしか分からない0.1ミリ単位でジワーッと動き続けること。
これができれば射に流れが生まれて、自然なスピードで楽に引けるようになりますよ。
例えば打ち起こし・大三が完成した時点。
他人から見れば止まっているように見えても、本人にしか分からないレベルで押し開き始めるのが正解。
会が止まっているように見えて止まっていないのと同じこと。
弓構えも、足踏みや胴造りだってそうなのです。
一連の流れを変えずに、チェックポイントをシンプルにすれば自然と引き分けは適正なスピードになります。
スピードが不安定な人もヤバイ
今まで引き分けが遅い人向けに話をしましたが、スピードが一定ではない人も同じです。
スピードが不安定な人も、引き分け中に色々なことを意識しているはず。
良かれと思ってやっていることが逆効果というのはよくあります。
注意してください。
スピードを一定にしようと思う必要はありません。
意識するポイントを1つに絞って、射法八節のつなぎ目で止まらないことが大事です。
色々気になる人は準備が足りない
いかがでしょうか。
引き分けの良し悪しは、その前の段階までで決まっています。
下手な打ち起こし・大三をすれば引き分けは上手にできません。
足踏みを開始した瞬間から、引き分けの準備は始まっているのです。