昨日、こんなメールが届きました。
かかとが浮いてしまう人。
意外と多いのではないでしょうか。
浮かなくても、体がフラフラ揺れている人もいますね。
このクセの原因は3つです。
3つのポイントに注意すれば、重心の安定感がグッと上がりますよ。
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スポンサーリンクかかとが浮くのは膝が原因
まずひとつ目の原因は膝です。
胴造りで膝が力んでいませんか?
両足が棒のようにピーンと張って、ガチガチになっている人が結構多いように思います。
特に足踏みが広めの人は要注意。
必要以上に膝がガチガチになってしまうと、前後に体が揺れやすくなります。
本来、膝は余裕を持たせるぐらいでちょうどいいのです。
人が自然に立つとき、力んで膝をピンと張ったりしませんよね。
足踏み・胴造りでも同じこと。
「膝の力み」と言われてもピンとこないですか?
それなら、他人が見ても分からないレベルで膝を曲げて引いてみてください。
胴造りの安定感が上がるはずです。
ほんの数ミリ膝を曲げるだけでも、本人にとっては全く違う感覚がすることでしょう。
射法八節では、下半身をガチガチに固めろなんて誰も言っていません。
力んでいるのは、あなたの間違った思い込みです。
以前「弓道が上達しない人へ!コツよりも見直しが大事」でも言いましたが、間違った思い込みに気づくことが重要です。
打ち起こしで腰が前に行き過ぎ
かかとが浮く原因の2つ目は、打ち起こし・大三です。
打ち起こし中に腰が前にいき、つま先体重が強くなっていませんか?
胴造りで腰を前にやる人もいます。
つま先体重の状態から引き分けで弓の中に入ろうとして、さらにつま先体重に…これでは、かかとが浮くのも当たり前です。
特に斜面打ち起こしの人は注意してください。
正面打ち起こしの人に比べて、つま先体重になりやすい傾向があります。
引き分けの始動も原因に
3つ目の原因は、引き分けの始め方です。
引き分けを開始すると同時に、大きく前に体重移動してしまう人がいます。
最初に大きく体重移動してしまうと、会に入る直前には限界がやってきます。
引き分け中にかかとが浮くのはそのためです。
念のために確認しておきますが、引き分けで意図的に体重移動する必要はありません。
確かに引き分けの過程で、結果的に体重が前に移ることはあります。
でもこれは結果的にそうなるだけ。
意図的に体重をつま先方向に移動させるのは間違いです。
さらに言えば、他人が見ても分かるぐらい大きく体重移動するのは間違い。
弓道の体重移動はほんのわずか。
他人が見ても分かるぐらい体が動けば、精度が落ちるだけです。
大きく体重移動する人は、アドバイスを勘違いしているのではないでしょうか。
「弓の中に体を入れる」
「体を使って引け」
「手引きはダメ」
「胸を開け」
「肩甲骨を意識しろ」
このような言葉に惑わされてしまったのでしょう。
腰ごと前に体重移動するのが正しいと思い込んでいます。
弓の中に体を入れると言っても、最初に作った胴造りを崩してはいけません。
結果的に弓の中に体が入るのと、意図的に弓を迎えに行くのは違うのです。
体重移動は無意識レベルで体に染み付いてしまいます。
動画で自分の射を見て、余計な体重移動をしていないかチェックしてください。
あえて棒立ちが正解
引き分け中にかかとが浮く人に、私がアドバイスするとすれば…
「あえて棒立ちで引くこと」
棒立ち=手だけで引くというイメージがあるので、抵抗がある人もいると思います。
でも、よく考えてみてください。
かかとが浮く人は、無理な姿勢で弓を引いているのと同じこと。
フラフラした無理な姿勢と、安定した棒立ち。
どちらが正解に近いと思いますか?
弓道の射法八節がめざすところは、究極的には「自然体で引くこと」です。
私達が正しいと思って動けば動くほど、正解から遠のくとしたら…
もったいないですよね。
弓道では間違った思い込みを見つけた人だけが上達します。
何か壁にぶつかったときには、正しいと思ってやっていることが本当に正しいのか振り返るのが大事。
イメージと実際の動きは全く別物です。
椅子に座って練習するのも有効
最後に一つ、具体的な練習法を紹介します。
以前「弓道のスランプ脱出練習法」でもお伝えしましたが、椅子を使った練習は効果的ですよ。
間違った体重移動が染み付いていた場合、椅子に座ったほうが的中率が高まることがあります。
的中率が変わらなくても、座って弓を引くと新鮮な感覚になるはず。
自分の射を客観的に見直す良いキッカケになることでしょう。
弓道は、勝手な思い込みのせいで不自由に引いている人が多すぎます。
棒立ちや椅子に座った練習で、不自由さに気づいてくださいね。