このブログを見てくださった方から、こんな質問が届きました。
このご質問をいただいた時、私はとても懐かしい気持ちになりました。
私も、同じことを思ったことがあったからです。
そして私は早気に身を任せ…大変な思いをしました。
今回は、ダメな理由を掘り下げたいと思います。
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スポンサーリンクそもそも論が語られないわけ
早気の克服法について解説している本は多いですが、そもそもの理由はあまり語られません。
なぜ語られないのか?
早気になればすぐ分かるからです。
「なぜ早気はダメなのか?」と思う人は、今は会が2~3秒ぐらい。
会を持とうと思えば、いつでもできる段階の人だと思います。
この段階なら会を短くすると的中率が上がることがあるので、実感できないんですよね。
でも、重度の早気経験者として言わせてもらいます。
その先は地獄です。
なぜ早気がダメと言われるのか
会の大切さや、伸び合い詰め合いについては省略します。
早気がダメな理由は、もっと直接的です。
早気は進行性の病です。
気がつけばコントロール不能になる恐ろしいものです。
最初のうちは、練習中なら2秒程度の会があるでしょう。
その状態で大きな大会やプレッシャーがかかる場面に出ると、会は1秒になります。
そして何度か会1秒を経験すると、いつの間にか練習中の会が1秒になります。
この頃になると、かなり気合いを入れないと会をもてません。
さらにこの状態で次の試合に出ると…
試合中は口割りまで下ろして即、発射状態です。
ここまでくると、的中率が大きく落ち始めます。
コントロールがきかず、練習中も会が持てなくなります。
さて、練習中も会がなくなった人が試合に出ればどうなるか?
とうとう、口割りまで下りなくなるのです。
意識は離したくないのに離れる。
心とカラダがバラバラになるので、暴発気味のひどい射が完成です。
会が2秒から1秒になるのは、3ヶ月ぐらいかかるかもしれません。
でも、会が1秒になってからは早いですよ。
あっという間に口割りまで下りなくなります。
こうなると的中率どころの話ではありません。
弓道を続けるかやめるか…真剣に悩むようになります。
早気のボーナス期間は一瞬
早気になり始めの時期は、自覚症状がないことが多いのです。
会が2秒程度あれば目立たないので指摘されることが少ないのです。
そしてこの時期って、的中率が上がるんですよ。
私も初めて練習中に20連中したのは、会が2秒ぐらいの時期でした。
的中率が上がるし、体配にも影響がない。
「ちょっとぐらい会が短くても大丈夫」
こんな風に思ってしまうんですよね。
でも、ここに落とし穴があります。
会が短くなってくる。
これってどういう意味があるか知っていますか?
無意識のうちに会が短くなるのは体からのSOSです。
体を守ろうと、本能的に早く離れるようになります。
単なる筋肉疲労かもしれないし、癖のせいかもしれません。
体の無意識の警告を無視すると、早気の泥沼から抜けられなくなります。
会が短くなってきたと指摘されたなら、まず弓を置きましょう。
手の内の練習をしてもいいし、
足腰を鍛えるために走ってもいいです。
胴造りをひたすら続けてみるのもいいでしょう。
ゴム弓も持たず、徒手だけで射型のチェックをするのもありです。
体にたまったダメージは、1日ぐらいでは回復しません。
とにかく、弓を持つ時間を1週間程度減らしましょう。
早気は当て射が原因ではない
未だに弓道では「あて射に走るから早気になるんだ」という言葉が支持されます。
なかには「射型ができていないから早気なんだ」という人もいますね。
これらは真っ赤なウソです。
弓道の体験教室のようなところを見たことがありますか?
みんな、ゴム弓すら触ったことがない人ばかり。
そんな人たちに、弓を引かせるとどうなるか?
射型はメチャクチャ、しかも当てる気マンマンですが会は長いです。
会を持てなんて言わなくても、じっくり的を狙ってから離します。
私はこの光景を見て、こう結論しました。
早気の最初の原因は肉体的な疲労やダメージ。
眩しければ目をとじるように、苦痛を和らげるために離れる…
早気が進行しやすいのは、
体がどうすれば早く苦痛から開放されるか学習するから。
緊張する場面なら、精神的プレッシャーからも開放されます。
この積み重ねで「会を持つ=苦痛」だと学習するのではないかと思うんです。
例えば赤ちゃんは、最初は見るもの全てを触ろうとしますよね。
でも、触って熱かったもの、痛かったものは避けるようになる。
早気も同じなのではないでしょうか。
会が2秒程度の段階なら、しばらく射数を減らせば戻ると思います。
それより進んでしまった人は「弓道の早気の治し方【私の克服体験談】」をご覧ください。