弓道の早気の治し方【私の克服体験談】<原因はイップス>

※本記事は軽度な早気の方向けの克服法です。口割りまで下ろすのが難しい重度の早気の方は「鼻割りを解決したい!」をご覧ください。

弓道が上達してくると悪さをしてくる早気。

会が持てないだけでなく、口割までおろすことができなくなると大変です。

私は高校生のときに重度の早気になりました。

1年生の冬には会が1秒位になり、2年生の夏ごろには口割までおろすのが難しくなったのです。

そんな私の早気克服までの半年間の体験談をお話します。

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早気の原因は?

悩む人

弓道の早気は、別の言葉で言いかえるとイップスという言葉で説明できます。

イップスは、様々なストレス要因で筋肉の萎縮が起こり、意識した通りの動きができなくなることを指します。

私の場合は「会が縮んでいる」という指摘を受けたことがきっかけでした。

何度やっても会が縮んでしまう毎日。

それがいつの間にか、無意識に縮む前に離れてしまおうとしたのでしょう。

徐々に早気になっていきました。

とはいえ、最初の頃は早気と言っても2秒は会がありました。

だけど、会が短くなるのを止められません。

試合や審査、射会に出るたびに短くなっていったのです。

今から考えると早気を治そうと個人練習の量を増やしたことも不味かった。

肉体疲労・精神的ストレスが増えていくだけで、逆効果。

どんどん早気が重症化していったように思います。

克服の第一歩

早気が治った体験談

早気は克服するためには、条件反射を修正する必要があります。

ある動作→結果Aという関係をある動作→結果Bにすり替える必要があるのです。

弓道での早気克服の第一歩は、離れを消すことです。

引き分けたら離れる

引き分けたら大三まで戻す

まずは引き分けとセットだった離れを消して、離れずに戻すという図式を体に刷り込むのです。

人間の脳は「こう動くとこんな結果になる」という記憶を蓄積します。

早気のまま練習すると「離れてしまった」という記憶を矢を射るたびに刷り込むことになります。

ここを、無理やり別の結果に変えてやる。

そこから早気克服のきっかけを掴むのです。

私の場合は、最初の1ヶ月は巻藁練習で離れない練習を繰り返しました。

引き分け→鼻まで下ろしたら大三(打起こし)まで戻す。

絶対に離れない位置で、確実に戻すという体験を繰り返し体に刷り込みます。

巻藁

そうして、2週間かけて口割まで下ろして戻せるようになりました。

でも焦りは禁物。

離れは絶対に行いません。

口割で数秒キープして戻せるようになるまでに、さらに一週間かかりました。

克服の第二歩

弓道

早気克服作戦を開始して1ヶ月以上が経過しました。

的前が恋しくてウズウズします。

練習試合にも出られず、悔しかったです。

でも、まだグッと我慢。

巻藁練習で会を5秒持って、打起こしまで戻すことに慣れたら第二段階。

次は的前に立ちます。

ここでも離れは絶対に行いません。

巻藁練習と同じ練習を繰り返します。

最初は口割までおろしてからすぐ戻す。

決して無理はしません。

そして徐々に会を持つ秒数を増やしていきます。

絶対に守ってほしいのは、的前練習を開始した直後は会を持とうとしないこと。

会を持つより打起こしまで確実に戻すことが重要です。

引き分けから戻す練習は無意味はウソ

今このブログを読んている人の中には、こう思っている人がいるかもしれません。

「引き分けから戻す練習なんて無意味」

「みんなやってるけど、直ってないよ」

だけど断言します。

引き分けから戻す練習を徹底できれば、必ず早気は直ります。

戻す練習で効果がなかった人は、徹底できていません。

「1射ぐらい良いだろう」

「1週間戻す練習したから良いだろう」

「試合は休めないし」

これではダメです。

練習の効果が吹き飛んでしまいます。

早気というのは、脳に刷り込まれた恐怖にも似た本能のようなもの。

そう簡単に直りません。

油断すると簡単にフラッシュバックします。

克服するには最低3ヶ月は、完全に離れを消す練習を繰り返すしかないのです。

私の後輩の中には、鼻割が限界だったのに早気を克服した人もいますよ。

難しいのは、最後まで徹底すること。

少しぐらい…を繰り返せばいつまでも早気のままです。

試合を休むのも勇気。

妥協せずに早気に立ち向かってください。

いよいよ離れ開始

弓道の早気治療体験談

ここまでの練習を私は2ヶ月続けました。

いよいよ、離れの練習です。

まずは巻藁。

いつでも戻す心の準備をして、会を持てたことを確認してから離れます。

最初は離れると決めずに引いたほうが良いでしょう。

少しでも怪しい予兆を感じたら戻すつもりで試射してください。

巻藁で会が問題なく持てたら、的前に立ちます。

ここで注意する2点。

「1ミリ単位で狙いを絞っていく」

「予兆を感じたらすぐ戻す」

弓道

しっかり狙いをつけるのは、早気克服の上で大事な作業です。

早気の人は狙いが曖昧です。

「下ろしてきたら自然と狙いがついてる」というのは大きな間違い。

ミリ単位で狙いを定めようと思えば、引き分け終了直後の不安定さに気づくはず。

伸び合い・詰合も大事ですが、まずはしっかり狙いをつけましょう。

狙いをつけるのはあて射ではありません。

そして、離れる衝動を感じれば即中断する勇気も大事。

また戻す練習を繰り返します。

一進一退の末に克服

私の場合、的前練習を再開してからは一進一退。

ふとした瞬間に会が短くなっていました。

この一進一退の期間が2ヶ月は続きました。

早気克服の練習を始めて4ヶ月ぐらい経過した頃です。

ようやく私は自信を持って「早気を克服した」と言える状態になりました。

しかし、今でも練習を開始する前には離れない動作の反復練習も行っています。

早気に一度なったら、時間をかけて克服する以外、完治する方法はありません。

もしまわりに会が2秒程度になっている人がいた場合、即刻早気克服メニューをさせてください。

対応が早ければ早いほど克服までの時間が短くなります。

早気が原因で弓道をやめてしまうのはもったいない。

恐れず挑戦してみてくださいね。

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