昨日、当ブログにこんな質問が届きました。
私が弓を引くと辛そう・しんどそうと言われます。」
確かに、不思議ですよね。
涼しい顔して楽そうに引いている人。
力んでプルプル震えて、しんどそうに引く人。
一体、何が違うのか?
実は私自身、最初はしんどそうに引く人でした。
ところが気がつけば「楽そうに引いてるね」と言われるようになったのです。
技術が上がったからではありません。
簡単な3つのポイントを意識しただけです。
楽そうに引いてる人の秘密について、私の体験談からお話したいと思います。
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スポンサーリンク楽に引く人はここが違う
まず始めに、気になる3つのポイントについてお話します。
・首周りの柔軟性
・打ち起こしの距離や高さ
私自身が楽に引くねと言われ始めたのは、この3つに取り組んでからでした。
特に影響が大きかったのは「流れを止めない」という点です。
ふざけて超高速で引いたわけではありません。
きちんと射法八節や体配を守りつつ、止まらないを実践しました。
最初はイメージしづらいかもしれませんが、慣れれば誰でも実践できます。
楽そうに引く人は流れを大事にする
あなたは射法八節について、どんなイメージを持っているでしょうか。
私は、ゆったり流れる大きな川をイメージしています。
足踏み、胴造り…
八節ありますが、一つ一つで完全に停止するわけではありません。
他人から見ると止まっているように見えても、実はミリ単位でジワジワと動いて次の動作に進んでいるのです。
大きな川も、穏やかで流れていないかのように見えることがあります。
でも実際はしっかり流れていますよね。
楽に引く人は、射法八節中に止まりません。
弓構えや大三で止まっているように見える場面でも、本人しか分からないレベルでジワジワと動いています。
逆に引くのが辛そうな人は、何度も止まっています。
例えば弓構えや打ち起こしが終わった直後。
止まっていませんか?
大三で息を吐いて肩を下ろすときはどうでしょうか。
楽に引く人は、こういう節目でも完全には止まりません。
ミリ単位でジワジワ押したり、引き分けの準備を開始しているのです。
射法八節は、一連の流れの節目を表しているだけで、途切れてはいけないものです。
あなたの射法八節は、途中でブチブチと途切れていませんか?
途切れた状態から弓の力に逆らって動くのは大変。
その積み重ねが「しんどそう」の正体です。
途切れやすい箇所はここ
射法八節を止めない・途切れさせない。
言うのは簡単ですが、実際にやろうと思うと難しいです。
いきなり残身まで完璧に止まらないというのは難しいので、まずは取懸の前後を見直しましょう。
多くの人が取懸で動きが途切れています。
取懸では、手元に集中してしまい体のことは忘れがち。
これでは取懸が完了した後、もう一度胴造りを入れ直さないといけません。
取懸の後に胴造りを入れ直してる人、多いですよ。
もったいないです。
取懸の後に入れ直してしまうと体重がつま先に移動してしまったり、右腰がほんの少しだけ前に出てしまうことがあります。
射法八節が胴造りの後に取懸をさせるのは、重心をずらさないため。
順番には意味があるのです。
胴造りと取懸を別々に考えてはいけません。
胴造りは全ての土台です。
打ち起こし・大三は途切れまくり
取懸が完了した後は、いよいよ大変です。
ここからは一つのミスが結果に大きく響いてきます。
斜面の人で注意したいのは、弓構え完了から打ち起こしに入る前。
物見を入れるときに手を止めると、流れが途切れてしまいます。
物見を入れると同時に、自分だけが分かるレベルで打ち起こしへとジワーッと移行すること。
物見も打ち起こしの動作の一部というつもりで行うべきです。
大三も要注意。
正面の人も斜面の人も、大三が整った直後に止まる人が多いです。
肩の力を抜くのと休憩は違います。
大三完成の瞬間から引き分けが始まっていると考えてください。
肩を下ろすのも、引き分けの一部。
他人が見ても分からないレベルでジワーッと左右に押し開くつもりで、流れを途切れさせないようにしましょう。
大三で完全に止まると、せっかく大三を作るときに押し開いたのにプラマイゼロになってしまいます。
流れがリセットされると、余計な腕力を使って弓の力に対抗しないと引き分けができません。
これでは、楽に引こうにも引けない状態になってしまいます。
首のストレッチは毎日やろう
しんどそうに引く人の多くは、射法八節の流れが途切れるのが原因です。
ただ、中には首周りの柔軟性が不足している人がいます。
物見がしづらいなど、首周りが固くなっている人は、ストレッチを行うと良いでしょう。
Youtubeに首のストレッチ動画があったので貼っておきますね。
以前「弓道で物見が浅い人へ」でも言いましたが、普段の悪い姿勢が影響していることが多いです。
スマホの見すぎ
だらしない格好で座る
何気ない姿勢が体のクセになって染みついている可能性大。
弓道の上級者は、ほぼ例外なく姿勢が良いですよ。
打ち起こし・大三は思い込み注意
打ち起こしや大三は、クセが一番出やすい部分です。
先週はできていても今週はズレていることもあります。
思い込みは捨てて、常にチェックしましょう
両手と体の距離は適切か
高さはそれで合っているか
胴造りは抜けていないか
弓道には完成がありません。
常に見直し作業を行って、自分の思い込みを見つけられた人だけが上手になれます。
打ち起こし・大三に限った話ではありませんが、自分の感覚はあてにならないと思ったほうが良いですよ。
詳しくは「弓道で上達しない人へ」をご覧ください。
上手い・ヘタは関係ない
いかがでしょうか。
射法八節の流れを途切れさせないように引くというのは、意識すれば誰でもできるようになります。
上手い・ヘタは関係ありません。
思い切り押すのではなく、0.5ミリぐらいジワジワと押す。
いきなり引き分けるのではなく、見えないぐらい微妙に引き分ける。
引いてる途中で休憩することがないように、流れを意識してくださいね。