昨日、当ブログにこんな質問が届きました。
私の学校では的中率が高い人から、落ち→大前→落ち前→中→2番です。」
あくまで私の個人的な意見ですが、立ち順の決め方はレベル別で考え方を変えるべきだと思います。
詳しくみていきましょう。
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スポンサーリンクレベル別で決め方を変えるって何?
一般的によく聞くのは、落ちが最強説でしょうか。
最も的中率が高くてプレッシャーに強い人を落ちにします。
次に的中率が高い人が大前。
つまり、最初に質問していただいた人と同じ決め方ですね。
確かにこれが王道だと思います。
ただし、この決め方はある程度実力のある人たちでチームを組む場合に有効です。
もっと低いレベルの場合は、違う決め方をおすすめします。
的中率7割以上を安定して出せるような強い人が集まった立ちと、5割以上をめざす人の立ちでは期待する役割が違ってくるのです。
強い人で組む場合は、個人としても団体としても優勝争いに関わるはず。
切迫した状況を想定して立ち順を決める必要があります。
的中率5割~7割前後をウロウロしている人や、もっと低い的中率の人の立ちで大事なのは勢いです。
状況に合わせるより、勢いが加速しやすい順番を決める必要があります。
強いチームの立ち順の決め方
まずは強い人で組む場合の立ち順の決め方です。
的中率の高い人から、このように決めるのがおすすめです。
↓
大前
↓
落ち前
↓
中
↓
2番
よく聞くオーソドックスな決め方ですね。
2番と落ち前については、入れ替わることもあります。
上級者の集団ほど、落ちに期待する役割が大きくなります。
なぜなら、落ちの最後の1本が勝負を決する…なんていう状況がよくあるからです。
弓道の団体戦では、ぶっちぎりの優勝という状況は少ないです。
大抵の場合が1本か2本差の接戦。
そうなると、最後の立ちの落ち前や落ちの1本が、まさに運命を分ける1本。
このプレッシャーは強烈です。
色々な思いが頭の中をグルグル駆け回ることでしょう。
勝敗を決する1本を任せられるのは、やっぱり日頃から的中率が高くて精神的に強い頼りになる人です。
安心感が違います。
確かに大前も大事です。
先陣を切って立ち全体の勢いを作るのは大事な役割ですが、上級者の集団なら悪い流れを断ち切れる人がいっぱいいます。
そう考えたときに、やっぱり落ちから立ち順を決めるのが合理的なのでしょう。
的中率5割をめざす立ち順の決め方
次は、的中率5割前後をウロウロしている人や、もっと的中率が低い人で立ち順を決める場合です。
(たまに7割中てる波が大きい人も含みます。)
的中率の高い人から、このように決めるのがおすすめです。
↓
2番
↓
中
↓
落ち前
↓
落ち
シンプルに、的中率が高い人から順番に並べる方法です。
的中率が不安定な人は、周りの状況に引っ張られることがよくあります。
だからこそ、少しでも早く勢いをつける必要があるのです。
外れ、外れが止まらない…
こういう立ちは見ていて辛いですよね。
でも逆に、いきなり皆中を出しちゃう人もいます。
そういう人が1人いると、後ろの人もドサクサに紛れて半矢や3中してたりします。
少しでも早く、引きやすい状況を作りたい。
だからこそ、的中率が不安定な人の集団は大前と2番を重視すべきです。
落ちが最強説の根拠を肌で感じた瞬間
私が立ち順の役割をハッキリと意識したのは、高校2年生の秋でした。
所属していた弓道部は、公立の弱小校。
個人で県大会に進むのが精一杯だったので、チームの一員としての役割を実感したのは遅かったように思います。
そんな私ですが、高2の秋になって考えが一変します。
力をつけた私のチームが、県予選で大健闘したのです。
勢い任せに的中を重ねて、最後の立ちの結果次第で「近畿高校弓道選抜大会」に団体で出場できるという状況まで来ていました。
団体での出場が決まれば、学校史上初。
ものすごく盛り上がったのを覚えています。
ただし、プレッシャーも相当なものでした。
ちょっと記憶があやふやなのですが…最後の立ちで3人の合計が8中以上が勝利条件だった気がします。
2人が3中、1人が半矢すればOKという計算になりますね。
最後の立ちの出だしは好調でした。
大前だった私が先陣を切って的中。
その後の2人も的中、的中で続きます。
「これはいける!」
そう思ったのも、つかの間。
次に私が放った矢は、外れてしまいます。
しかも、後ろの二人も連続で外してしまいました。
あの時の私は、きっと青ざめていたと思います。
おそらくこのときが、大前の役割を本当に自覚した瞬間だったのかもしれません。
それでもなんとか気持ちを立て直し、私は4射3中で終了。
中の人も4射3中。
落ちの人は、苦しんでいました。
最後の1射を残した時点で1中。
ラスト1射を外せば、近畿大会への出場は消えてしまいます。
このとき私は見てしまいました。
落ちの人の手が震えていたのです。
退場しながら、ちら見しただけの私でさえ鳥肌が立ちました。
落ちは勝負を決する1射を担う。
その役割の重さを、肌で感じとったのです。
落ちは大前とは違い、流れを自分で作ることができません。
全てを受けとめ、決着をつける。
落ちを重視する意味が、やっと分かりました。
ちなみに、落ちの人は見事にプレッシャーに勝利。
3人で近畿大会に進むことができました。
実績重視か最近の調子か?
立ち順を決めるとき、難しい問題があります。
・普段の的中率を重視するか
・直近の調子や勢いを重視するか
これは難しい問題ですよね。
私なら、こう考えます。
落ち:普段の的中率や実績重視
落ちには信頼感も大事です。
特に上級者の集団になるほど、信頼感が物を言います。
勢いがある人は、先陣を切ってもらうと立ち全体が盛り上がります。
ややリスキーではありますが、ハマれば強いです。
どのポジションでも道を切り開け
いかがでしょうか。
立ち順の決め方には色々な考え方があります。
今回お伝えした決め方が全てではありません。
ただ、最後に一つだけお伝えしたいことがあります。
「仲間のせいにせず、仲間を思いやる気持ちを忘れずに」
どんな立ち順になろうとも、決して他人のせいにしないでください。
だからといって周りを無視するのも違います。
弓道は孤独なようで、大勢の人が応援してくれています。
戦友とお互いを高めうのも、弓道の醍醐味ですよ。