アガパンサスはギリシア語で「アガペ(愛)」と「アントス(花)」の2つの言葉を組み合わせたものとして知られています。
花言葉も恋の訪れ、愛の便りなど、ロマンチックですね。
ところで、なぜギリシア語で「愛の花」と名付けられたのでしょう?
ギリシア神話が由来
ギリシア語で愛の花と呼ばれるのは、
ギリシア神話で語られる逸話が由来なんです。
ギリシャ神話では、このような話があります。
イリス(英語名アイリス:虹の女神)は、
ゼウス(全知全能の主神)に求愛されて困っていました。
そこでイリスはゼウスの妻であり、
心から尊敬し、お仕えしていたヘラ(最高位の女神)に
「どこか遠くに行きたい」と相談します。
ヘラはイリスを助けるために、
七色に輝く首飾りをイリスの首にかけ、
神酒をふりかけました。
すると、イリスは虹の姿となり、
自由に空を翔けることができるようになりました。
このとき地上にこぼれた酒の雫から、
アガパンサスの花が咲いたと言われています。
しかし、このとき咲いた花については、
世界各地で語り継がれるうちに
あやめの花(アイリス)が咲いたという風に変遷していきます。
現在では、この神話の逸話はあやめの花の由来として知る人が多いのですが、古代ギリシアではアガパンサスを指していました。
愛は一方通行だった
アガペーは日本語に訳すと「無償の愛」とされています。
とても尊い気持ちのように思うのですが、古代ギリシアのニュアンスでは「神の愛」としたほうが正確なようです。
そしてこの「神の愛」、結構一方通行なものなんです。
主神のゼウスは何度も浮気を繰り返しているし、浮気されて復讐に走る女神もいたり「神の愛」はドロドロと描写されていました。
同じ愛でもジャガイモの花言葉とは方向性が全く違います。
キリスト教の考え方が広まってからは「無償の愛」のニュアンスが強いですが、初めは違ったという点が面白いですね。