先日、こんな質問が届きました。
「わたしはいつも左の肩がすぐ抜けてしまいます。なにかよい改善方法はありますか?」
左肩が抜けてしまう人の原因と改善法について解説します。
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スポンサーリンク原因は引き分けまでにあり
![弓道で左肩が抜ける原因と対策](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2019/03/kyudo1903191.jpg)
まず最初に原因についてお話します。
左肩が抜けやすい人の多くは、引き分けをする以前に原因を作っています。
引き分け開始前の時点で胴造りが崩れ、左肩が抜けている。
だからこそ、なんとか引き分けで左肩を入れようとしても上手くいかないのです。
逆に言えば、引き分けまでの過程を改善すれば「左肩を入れよう」と思わなくても自然に正しい位置に収まります。
ではどうすればいいのか?
左肩が抜けやすいポイントを1つずつ見ていきましょう。
早い人は取懸で左肩が抜ける
![弓道の左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2018/11/kyudo1811224.jpg)
まず最初のチェックポイントは、取懸です。
足踏み・胴造り…
そして取懸をする頃には、すっかり胴造りを忘れている人がいます。
せっかく最初に作った三重十文字が崩れてしまい、わずかに左肩が後ろに抜ける。
後になればなるほど、立て直すのが難しくなります。
取懸をしてから、また胴造りを入れ直す人も要注意。
身体の向きがズレたままになる可能性が高いです。
胴造りは作って終わりではなく、最後の瞬間までキープするもの。
射法八節は全て繋がっていることを忘れないでください。
斜面の人は弓構えに注意
![弓道で左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2018/11/kyudo1811281.jpg)
左肩が抜けやすい瞬間はまだまだ続きます。
次は斜面の人限定の話ですが、弓構えで左肩が抜けることがよくあります。
羽引きをするとき、目で手元を見ていますよね。
そのとき胴造りを忘れていると、身体まで斜めを向いてしまいます。
そのまま打ち起こしに入ってしまうと、もう元に戻せません。
物見で左肩が抜ける人も
![弓道で左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2019/01/kyudo1901093.jpg)
いよいよ打ち起こしに入るのですが、ここでも左肩が抜けやすいポイントがあります。
物見を入れる瞬間です。
顔を左に向けるときに、身体も一緒に動いて斜めを向いてしまうことがあります。
その状態で大三まで行ってしまうと、もうアウト。
大三で胴造りを整え直すのは難しいので、肩のラインが崩れたまま引き分けを開始するしかありません。
弓道では次の動作に移る瞬間に乱れが生まれがち。
気を抜く瞬間はないですよ。
大三で肩を落とすのはダメ
![弓道で左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2019/01/kyudo1901094.jpg)
無事に打ち起こしが終了して大三を作れたとしても、まだ油断できません。
ここでも多くの人がやりがちなミスがあります。
大三を作ったら「フーっ」と息を吐いて肩を落としていませんか?
実はこれもダメな動作。
息を吐くのは構いませんが、肩だけ落とすのは間違いです。
そもそも人の身体は、手を高く上げると肩も上がるようにできています。
わざわざ肩を落として整える必要はありません。
試しに何も持たずに大三を作ってみてください。
肩も自然と上がるはずです。
手を下ろせば肩も一緒に下がるので、わざわざ引き分け前に肩だけ落とすのは不自然。
胴造りが崩れるリスクを高めるだけです。
肩が窮屈に感じるぐらい上がる人は、手を高く上げすぎか、すでに押し負けている証拠。
大三以前の動作を見直す必要があります。
そもそも大三は止まっている状態ではなく、ジワジワ押している状態。
休憩ポイントではありませんよ。
引き分けにスムーズに移るための準備動作であることを忘れないでくださいね。
弓が照ると左肩も抜けやすい
![弓道の左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2018/09/kyudo1809152.jpg)
ここまでのことを実践すれば、ほぼ左肩は抜けません。
あと意識するべきことがあるとすれば、弓が照っていないかどうかでしょうか。
弓構えや打ち起こしの過程で押すのをやめると、押し負けて弓が照り気味になります。
結果的に左肩も抜けがちです。
弓道は弓を押し開き始めたら、離れるまで止まることなく押し続ける必要があります。
上手な人は止まっているように見えても、常にジワジワと押し返していますよ。
0.1ミリ単位でジワジワと押し広げるような感覚。
射法八節は流れを途切れさせてはいけません。
壁のそばのゴム弓・素引きでチェックを
![弓道で左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2019/03/kyudo1903161.jpg)
身体の動きは無意識に行っている部分が大半。
できているつもりでも、三重十文字が崩れていることもよくあります。
常に他の人に見てもらうのも難しいので、自分でチェックする方法をご紹介しましょう。
方法はシンプル。
壁のそばに背を向けて立つ。あとはゴム弓や素引きを普通に行うだけです。
壁を基準にすることで、自分の身体の向きが変化したことに気づきやすくなります。
射法八節は全て繋がっている
![弓道で左肩が抜ける原因と改善法](https://yasuharazakka.com/wp-content/uploads/2018/12/kyudo181216.jpg)
左肩が入らなくて悩んでいる人は、引き分けより前に必ず問題があります。
胴造りを忘れている瞬間がないか、しっかりチェック。
特に次の動作に移るタイミングを中心に、見直してみてください。
射法八節は足踏みから残心まで、全て繋がっている1つの動作です。
バラバラの「個」ではなく、繋がっている「節」であることが分かれば、もっと上手になれますよ。