今日は弓道と捻挫の関係について話をしたいと思います。
といっても、弓道の稽古中に捻挫をする人はあまりいません。
日常生活や他のスポーツで捻挫してしまった後の話です。
弓道家にとって、捻挫は意外と厄介です。
今まさに捻挫してしまった人はもちろん、怪我をしていない人も他人事ではないですよ。
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私が感じているのは、捻挫を甘く見ている人が多すぎることです。
今まで多くの人を見てきました。
過去には無茶をする人が大勢いましたよ。
・痛みがあるのに休まない
・テーピングすれば全部解決と思っている
なかには松葉杖がないと歩けないような重度な人でも、何とか引こうとする人もいました。
弓道と捻挫の関係で厄介なのは、無理しようと思えば実際にできてしまうところです。
その気になれば、片足を半分浮かせて弓を引くことも可能。
お医者さんの言いつけを守って、何週間も安静にする人は少ないのが現状です。
ひどいケースでは「医者は安静にしろって言うけど、5日も休めば平気だよ」と言う人もいます。
どこから自信が湧いてくるのか、何の根拠もなく大したことないと決めつける。
指導者の中にも、こんな考えの人がいます。
でも、ちょっと認識が甘すぎます。
捻挫は癖になると、弓道を続ける上で不便なことが多くなってしまいます。
癖になると辛くなること
捻挫をしても、弓を引くだけなら確かにできます。
でも、捻挫が癖になってしまうと大変です。
この2つが辛くなってしまうのです。
跪坐(きざ)
捻挫が癖になると、座る動作がキツくなります。
正座は長時間できなくなる。
跪坐は痛いし、体配を守って綺麗に立ち上がるのも困難になります。
私の知り合いには、捻挫した方の足をかばって片側の足に体重をかけて正座している人がいます。
見てるだけでも辛そうです。
正座が辛くなるのは、思っている以上に不便ですよ。
弓道は何かと座る時間が多いです。
そのたびに足に気にしなくてはなりません。
捻挫は痛みが引いてからが本番
捻挫の痛みが消えると「治った」と思いがちです。
でも捻挫で大事なのは痛みがなくなってから。
怪我してからの1年間、きちんとケアをするかしないかで慢性化するかどうかが決まります。
ところが弓道の動作は、捻挫のケアと相性が悪いです。
炎症が治まった後(痛みが落ち着いた頃)のケアでは、血行を促進することが大切だと言われています。
でも弓道は、足首を柔軟に動かす動作がありません。
座る動作が多いし、立っているときも動きが少ない
血行を促進するどころか、血流を鈍らせる機会が多いのです。
すでに癖になっている人はどうする?
では、すでに捻挫が癖になっている人はどうしたらいいのか。
おすすめなのは、腓骨筋群を鍛えることです。
腓骨筋群というのは、足の裏→かかと→すねの横につながる筋肉のこと。
この筋肉を鍛えることで、弱くなった靭帯をある程度カバーできるようになります。
腓骨筋群を鍛える方法はいくつかあります。
・歩く距離を増やす
手軽なのはかかと上げ下げ運動ですね。
YouTubeにもトレーニング動画がありましたので貼っておきます。
ポイントは、親指の付け根を意識すること。
親指でしっかり踏ん張ってつま先立ちをしてください。
親指が浮いて、足の裏が内側を向くと逆効果になる可能性があります。
少しだけ足の裏を外側に向けるイメージで行うのがおすすめです。
ただし、無理のない範囲でやってくださいね。
捻挫した足を一気に強化することはできません。
少しずつ鍛えていくつもりで行いましょう。
それでも試合は休めない人へ
さて、今このブログを見ている人の中には試合直前などで「痛くても休めない」と思っている人もいるでしょう。
強行出場したい気持ち。
本当なら止めたいところですが…それでも出たい気持ちも分かります。
では、どうするか。
立つのに支障がないなら、足踏みをいつもより狭くして対応します。
問題は歩くのも辛い重度の捻挫の場合。
この状態ではまともな足踏み・胴造りができません
ここは無理をするよりも、ルールを利用して椅子に座って行射できるよう手配するのも手です。
全日本弓道連盟の弓道競技規則(平成28年4月1日改定)では、次のような項目があります。
第3条 規則の特例
3)怪我や障がいあるいは身体状況などで本規則によりがたい選手は、事前に(当日受付終了まで)申請し許可を得なければならない。
高校や大学の試合でも、この競技規則に準じて行うことが多いので何らかの対応をしてもらえる可能性が高いです。
部活なら顧問の先生に相談しましょう。
当日でも何とかなりますが、直前にバタバタするのは精神的によくないので事前に動いてください。
椅子に座って弓を引く練習は必要ですけどね。
やってみると、意外と違和感がないので慣れるのはすぐです。
捻挫は甘く見ないで
いかがでしょうか。
捻挫は甘くみると慢性化して、弓道を続ける上で不利になります。
自分の体を万全の状態に近づけるのは、射法八節と同じぐらい大事なことです。
油断せず、じっくりケアしてくださいね。