花言葉を調べると、不思議なことがあります。
色によって全然違う花言葉がついていることがあるのです。
例えばキク。
キク全般の花言葉は「高貴」「高潔」「高尚」ですが、色によって個別の花言葉があります。
白:真実
黄:破れた恋
赤や白は花の姿からのイメージで納得できます。
でも黄色は明らかにおかしいですよね。
なぜ黄色だけ仲間外れなのか?
調べてみると面白いことが分かりました。
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スポンサーリンク西洋で黄色は嫌な色!?
なぜ黄色のキクだけ花言葉が悪いイメージなのか?
詳しく調べてみると西洋、特にキリスト教文化の影響が大きいことが分かりました。
西洋文化圏で黄色のキクの花言葉は「slighted love(軽んじられた恋)」。
ここから、破れた恋へとつながっていくのです。
では、なぜ西洋文化圏では悪い花言葉が定着したのでしょうか?
キクがヨーロッパに伝わったのは18世紀ですが、悪い花言葉の起源は中世まで遡ります。
中世のヨーロッパでは、黄色にこんな悪いイメージが定着していました。
・ユダヤ教徒を差別するための目印
昔の絵って宗教画が多いですよね。
最後の晩餐など、有名な絵がたくさんあります。
その中によく登場するのがユダです。
イエス・キリストを裏切った人物として有名な彼は、黄色っぽい服を着ている絵が多いのです。
このことから「黄色=裏切り」というイメージが出来上がりました。
これだけではありません。
キリスト教以外の宗教を「異端者」として弾圧していた時代には、異端者に黄色の服を着せて差別の象徴としました。
大昔のことですが、現代でもこのイメージが残っています。
黄色のキクの花にマイナスイメージの花言葉がつけられているのです。
他の花でも黄色で悪い意味が…
古くから親しまれてきた花の中には、キクと同じように黄色にマイナスイメージがついている花があります。
例えばカーネーションやバラです。
どんな花言葉なのかというと…
バラ:嫉妬
驚きますよね!
カーネーションやバラって、プレゼントの定番。
両方とも、愛や感謝を意味する花言葉が一般的です。
そんな中で、黄色だけが異様です。
これも中世ヨーロッパから続くイメージの名残と言うしかありません。
悪い花言葉は消えつつある
花言葉にはマイナスイメージがついているものが少なくありません。
ただし、今後は悪い意味が消えていくかもしれません。
花言葉は時代によって変化するものですが、積極的に良い花言葉を普及させようとしている人たちがいます。
日本花普及センター、全国花言葉普及委員会、全国花卸協会…まだまだ色々な団体があります。
花の流通に関わる団体が多いですね。
良いイメージの花言葉が定着すれば、花への親しみが深まるという狙いがあるようです。
黄色のキクについても「高潔」という花言葉のイメージのほうが強くなりました。
カーネーションやバラについても、黄色はダメと言われることは少ないです。
この流れは今後も続いていくことでしょう。
日本ではメッセージが大事
いかがでしょうか。
黄色のマイナスイメージには長い歴史が隠れていました。
ここまで読んだ人の中で、知的好奇心旺盛な人には新たな疑問が生まれているかもしれません。
「そもそも裏切り者ユダは、なぜ黄色の服で描かれることが多かったの?」
この点について詳しく知りたい人は「カーネーションの花言葉は黄色だけ変!」という回で詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。