最近、街なかを歩いていていると、屋根にブルーシートを貼った家を見かけました。
雨漏りの応急処置なのでしょう。街なかではとても目立ちますね。
そこで、ふと疑問が浮かびました。
「なんでブルーシートはあんなに目立つブルーなんだろう?」
気になり始めると止まりません。
詳しく調べてみると、日本特有の事情に行き着きました。
本ページはプロモーションが含まれています
スポンサーリンクブルーになった理由の定説と深まる疑問
ブルーシートはなぜブルーなのか。
まずネット上の情報をくまなくチェックしてみると、主な理由は3つに分類できます。
- 景観を損ねない
- 合成樹脂が普及した当時、青い顔料が一番安かった
- 空や海に近い爽やかな色
この3つの理由を見ても、私はあまり納得ができませんでした。
「安い」「爽やかな色」というのは共感できます。
でも、この理由だけなら当初は青ばかりでも、現代ではいろいろな色が普及していてもよさそうなものです。
どのメーカーでも、ほとんどの商品が青一色である理由としてはまだ弱いと思いませんか?
そして何より、一番最初の「景観を損ねない」という点は全く同意できません。
例えば街なかで使う場合。
家の屋根に貼っても庭に敷いても、とにかくあの鮮やかなブルーは目立ちますよね。
さらに、山や海・川のそばで使った場合も、めちゃくちゃ目立ちます。
目立つということは、景観を損ねていると言えるのではないでしょうか。
「これは、他にもっと大きな理由があるはず」
ネットではこれ以上情報は出てこなかったので、各メーカーをはじめいろいろなところに問い合わせてみました。
他の色だと売れないからブルーばかりになった説
ブルーシートのメーカーや販売業者に問い合わせた結果、ある会社からこんな回答が得られました。
「当社では青以外の商品も扱っていますが、やはり一番売れるのは青です。」
「緑・グレー・黒などはお店の陳列棚に置いても目立たないため手にとってもらえず、販売スペースも限られていることから、ブルーだけを置く店が多くなったと思われます。」
青以外は売れない…私はこの理由が一番しっくり来ました。
確かに店の陳列棚では、鮮やかなブルーは目立ちます。他の色が置いてあっても目につかないこともあるかもしれません。
また、日本ではアメリカなどと比べると大型のホームセンターが少ないので、販売スペースも限られています。売れない商品が消えていくのも納得です。
さらに、こんな回答をくれた会社もありました。
「ブルー以外の明るい色はレジャーシートだと思われる傾向にある」
ブルーシートに求めるのは耐久性です。
レジャーシートのようなカラフルでおしゃれなデザインだと、イメージ的に耐久面が心配になるのかもしれません。
つまり、まとめると…
- コスト面で有利なブルーが早く普及した
- 目立たない色はお店でも目立たず売れにくい
- おしゃれなデザインだとレジャーシートと区別がつかない
このような要因が重なった結果、自然淘汰で「ブルーシート=青」の図式が定着したのだと思われます。
アメリカでは緑・グレーも多い
今度は海外に目を向けてみました。
するとアメリカやヨーロッパの国々では、ブルーも多いですが緑やグレーのシートもかなり使われていることが分かりました。
緑やグレーが人気の理由は、なんと「景観を損ねないから」。
日本と同じ理由なのに、全く違う色が普及しているのというのも不思議な感じがします。
でも確かに、緑やグレーのほうが景観を損ねないですよね。
緑は芝生や夏の山の風景にも溶け込むし、グレーはどんな場所でも影のように目立ちません。
白や黒が少ないのはなぜ?
どんなアイテムでも定番の色と言えば、白と黒ですよね。
ところがブルーシートに限れば、日本でも世界各国でも白や黒はマイナー色です。
なぜなのか?
ブルーシートについてSNSの口コミを調べてみると、こんな意見をチラホラ見かけました。
「黒は目立たないから良いと思って買ったけど、日差しで熱くなる」
「白いブルーシートがキレイだから買ったけど、汚れが目立つから青にすればよかったと後悔してる」
「白いブルーシートは照り返しがまぶしい!やっぱり青が無難だったか」
白はまぶしくて汚れが目立つ。
黒は太陽光で熱くなることがある。
野外で使うことの多いブルーシートとしては、これは不便ですね。
こう考えるとブルーは汚れがそんなに目立たないし、熱くてたまらないということもない。意外と機能的にもバランスがよい色なのでしょう。
ブルー以外も活躍中
ブルーシートと言えば色鮮やかな青の製品ばかりですが、分野によってはさまざまな色のブルーシートが活躍しています。
茶色 | 遺跡発掘 |
シルバー | さくらんぼ畑 |
迷彩色 | 自衛隊 山間部での作業 |
黒 | 農業用の遮光シート |
白 | 防炎加工付きで建設・解体現場 |
オレンジ | 合成樹脂が登場する前は主流の色だった |
遺跡発掘現場では地域見学会やマスコミの撮影など、人に見られる機会が多くあります。そのため、景観に配慮して茶色いブルーシートがよく使われるそうです。
さくらんぼ畑では、シルバーのブルーシートを地面に敷くことがよくあります。シートで太陽光を反射させることで、実が均等に赤くなり味もよくなるそうです。
青ばかりだと思っていたブルーシートも、目的によってはさまざまな色が使われているのですね。