弓道の試合の日が近づいてきた!
準備を進める中で、気になるのが弦です。
「結構使ってるから、新品に替えておこう」
ちょっと待った!
試合直前に新品に替えるなら、やっておくべきことがあります。
ぶっつけ本番だと的中率に悪影響があるかもしれませんよ。
弓把の高さが安定しない
1番的中率に影響するのが、弓把の高さです。
(把は正確には弓へんに巴)
新品の弦は、弓把の高さが安定しにくいと言われています。
一般的には、弦の交換は試合の一週間前から3日前までに済ませるべきです。
では、試合の前日や当日に交換するのはダメなのでしょうか?
大丈夫。
方法はあります。
製品によって差があるのですが、40射程度で安定し始めると言われます。
巻藁などで、試射しておきましょう。
素引きでは効果が薄いので、巻藁練習で対処します。
中仕掛けの安定性も変わる
新品の弦に取り替えたら、中仕掛けを作りますよね。
これも、作ってすぐ本番はよくありません。
・中仕掛けと弦の馴染み具合
・実際に取懸けしたときの感触
微妙な変化が、本番の的中率に大きく関係する可能性もあります。
個人的には、中仕掛けに慣れていないと的中率が下がる気がします。
全く根拠のない思い込みレベルですが「違和感」は一つでもなくしましょう。
弓の強さによっても変わる
15kg以上の強めの弓を使っている人は、弦への影響が大きいです。
私は伸び寸の「響」という弦をよく使います。
弓は15.5kgです。
この組み合わせだと、最初の50射は全く弓把が安定しません。
10射ごとに調整が必要なほどです。
強い弓を使っている人ほど、直前の弦交換は不安定になりがち。
1週間前に交換する癖をつけましょう。
替え弦は大丈夫?
実は私は試合で弦を切ったことがありません。
でも、替え弦の準備は入念にしていました。
あなたの替え弦、使い慣れていますか?
・古くていつ買ったか分からない
こんな状態の替え弦は絶対にNGです。
私は高校生のとき、県大会でこんな事件を目撃しました。
↓
替え弦の1射目で弦切れ
↓
4寸伸びだったため、替え弦が見つからない
↓
弦がなくて棄権の危機
↓
他校の生徒から譲ってもらい続行
他校の生徒だったのですが、棄権になる一歩手前でした。
4寸伸びの人は少ないと思いますが、替え弦はしっかり準備しておきましょうね。
古い弦は切って取り替えるほうがいいのか?
弦の交換をするとき「弦を張った状態で切って交換するほうがいい」と聞いたことはありませんか?
わざと弦切れをすることで、弓の疲労蓄積を解消できる。
そんな理由で語られることが多いです。
実際には、そんなことする必要はありません。
特にグラス弓、カーボン弓なら全くの無意味。
周りに迷惑をかけるだけなのでやめましょう。
もしあなたが使っているのが竹弓だったとしても、効果はほとんどありません。
わざとハサミを入れて切るのは、思わぬ事故につながるリスクのほうが高いです。
古い弦のまま試合に出るのはやめよう
今、弦を交換するか悩んでいるならすぐ替えてください。
本番で弦切れを起こすと、仲間の的中率にも大きく影響します。
私は今まで何年も弓道を見てきましたが、弦切れを起こした人の後ろの人が中ったのを見たことがありません。
感覚的には30射0中ぐらいでしょうか。
目の前で弦切れされると、切った本人以上にリズムや集中力が乱れるのでしょう。
試合前の準備は万全に。
道具も、心も。