弓道の弦が切れる位置で何が分かる?5年間データを取ってみた結果

弦切れしたとき、切れた位置を気にする人っていますよね。

「中仕掛けで切れたら正しい」

「いや、中仕掛けで切れるのも離れが悪い証拠だから良くない」

色々なことを言う人達がいます。

実際のところどうなのでしょうか?

答えを出すために、私は5年間かけて調査を行いました。

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通説はウソの可能性が高い

弓道

今回の答えを出すために行なった調査の概要はこちらです。

調査期間:2013年4月~2018年5月

対象グループ①:参段以上の上級者

対象グループ②:初段以下の初心者

各グループの弦が100本集まった時点で終了。

グループごとに各100本集めるのに5年かかりました。

合成弦は滅多に切れません。

普段は弦が切れる前に交換する人たちにも無理を言って、協力してもらったおかげです。

テスト期間と弓道

さて、ここからが本題です。

もし技術的な差が弦切れの位置に反映されるなら、傾向が見えるはずです。

まずはグループ①の上級者の皆さんの切れた位置から。

・中仕掛け付近:56本

・末弭付近:24本

・本弭付近:20本

次はグループ②の初心者の人たち。

・中仕掛け付近:61本

・末弭付近:17本

・本弭付近:22本

いかがでしょうか。

どちらのグループも、中仕掛け付近で切れた人が半数以上。

あまり差を感じませんね。

どうやら、技術的な差が弦切れの位置に影響するというのは誤解である可能性が高いです。

中仕掛け付近で切れたから良い射型だとは言えない。

これが私の結論です。

末弭や本弭付近で切れる本当の理由

中間試験と弓道

あなたはこんな話を聞いたことがあるでしょうか?

「弦輪を何度もいじると、緩みやすくなって切れやすくなる」

「弦輪が小さすぎると切れやすくなる」

弦輪付近をいじりすぎると、末弭や本弭あたりで切れやすくなるというのです。

実際に試してみました。

私は今まで100%、中仕掛け付近で弦切れを起こしてきました。

そんな私が末弭の弦輪を毎日何度もいじったら…なんと、末弭の近くで切れたのです!

今度は本弭の方の弦輪を毎日何度も修正しました。

すると、やっぱり本弭の近くが切れたのです。

弦切れの位置は射型の影響というよりも、弦の扱い方が原因である可能性が高いです。

合成弦は切れる前に交換が正解

弦切れと言えば「弦切れは弓に良い」という話を聞いたことがあると思います。

これは半分正解、半分誤解です。

弦切れが弓に良いとされたのは、竹弓と麻弦が当たり前だった時代の話

それも、真偽は定かではありません。

弦切れして若返るというのは「弦が新しくなって張りが強くなったように感じるだけ」だという説もあります。

現在の合成弦は弦切れによる衝撃が強い為、弓に負担がかかります。

さらに言えば、カーボン弓などは耐久性が高いので若返らせる必要がありません。

弓神、かえる弦、響、あすか弦、飛天、千本弦…

色々ありますが、現在使っている弦のほとんどは合成弦。

弦切れ前の定期交換をおすすめします。

遠的と弓道

合成弦の寿命は500射から1000射前後。

毎日練習する人なら、月に1回交換してもいいでしょう。

ただ、実際はなかなか切れないから2000射以上使っている人もいますね。

せめて3ヶ月に1度は交換しましょう。

射型を見直すならスロー射法八節

いかがでしょうか。

弦切れの位置で自分の射型を見直すというのは、現実的ではありません。

もし射型を見直したいと思うなら、以前「自宅で練習する方法」でも紹介したスロー射法八節がおすすめ。

ゴム弓でも素引きでも良いですが、1射に10分以上かけてゆっくり引くと気づきがたくさんありますよ。

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