弓道で1本目が中らない人へ【1射目や大前が好きになる方法】

弓道

私は弓道で試合に出る時「大前をさせてほしい」と必ず言ってきました。

自分のペースを作れる大前が大好きなのです。

なぜこんな話をするかというと、このブログを見てくださった人からこんな質問をいただいたからです。

試合になると1本目が中りません。なぜ?皆中したいです。

今回は、1本目の的中率を向上させる方法を考えてみたいと思います。

「無心になれ」なんて誰が言った?

この手の話をすると、必ず「余計なことを考えるからだ。無心になれ」なんて言う人が出てきます。

これほど役に立たないアドバイスが他にあるでしょうか。

いや、ない(笑)

弓道で無心

すみません。

昔、偉そうなのに実力がない先輩に言われたことを思い出してしまいました…

弓道は精神論でごまかす人が多すぎます。

では具体的にどうすればいいのか?

私はこう思いました。

「試合で大前が好きな人の考え方を知るのが近道」

試合で大前になるのが好きな人は、1本目の的中率に自信があるはず。

(実際の的中率が良いかは別)

その人の考え方を学べば、自信がつくと思いませんか?

ここで私の考えを書き連ねてもいいのですが、今回はもう少し客観的な情報をお伝えしようと思います。

ポジティブな考え方は練習で作れる

スポーツ心理学という言葉をご存知ですか?

スポーツ心理学は知らなくても「メンタルトレーニング」なら聞いたことがありますよね。

「1本目が中らない」という悩みも、心理的なもの。

解決するにはどうすればいいのでしょう?

実はこれ、スポーツ心理学でいうところの「特性」と「状態」で説明できるんです。

特性とは、その人の考え方の傾向。

考え方の癖と言ってもいいかもしれません。

状態とは、ある時点での心のあり方と言えばいいでしょうか。

緊張、イライラ、気分が良い…常に移り変わる心を指します。

緊張

人の行動は、特性と状態によって変化します。

そしてこの特性は、訓練すれば変えることができます。

「1本目が中らない」と思っている人は、最初の1射をネガティブに考えています。

まず、その考え方の癖を変えてあげればいいのです。

1本目を中てる対策①

今のあなたは1本目に対して「不安」「外しそう」と思っています。

これを変えるにはどうすればいいのでしょうか?

まずやってほしいのが、思い出すこと。

1本目が中らないと言っても、弓道人生で1度くらいは中ったことがあるでしょう?

例え試合でなくても、練習中ならどうでしょうか。

練習中も、必ず1射目は外しますか?

そんなことありませんよね。

練習中も含めれば、必ず中ったことがあるはずです。

(ないなら、単なる実力不足)

弓道と成功体験

この「思い出す」という行動は、スポーツ心理学でとても重要なことだと考えられています。

本番に弱い人は、過去の失敗を思い出す傾向があります。

逆に本番に強い人は成功体験を思い出すことが多いのです。

失敗体験を思い出すことが多い人も、意識して成功体験を思い出す練習をすることで心理状態が変わってきます。

あなたは試合の直前、成功体験を思い出してワクワクしたことがありましたか?

たぶんないと思います。

過去に1本目が中った記憶を呼び起こすだけでも、プレッシャーから開放されます。

試合の直前こそ、成功体験を思い出す。

これなら、今すぐにでもできますよね。

最初は違和感があるかもしれません。

もし成功体験を思い出せない人は「成功体験ノート」を作ってもいいかも。

弓道で上手くいったことをメモしていくのです。

・練習中に矢飛びが綺麗な射があった。

・3連中できた

・気になる人が見ている前で中った

こんな風に、小さな良かったを毎日書くといいですよ。

考え方の癖は直せます。

メンタルを改善したいなら、ぜひ試してみてください。

1本目を中てる対策②

もう1つ挑戦してほしいことがあります。

それは、1本目の快感を見つけること。

今はピンとこないかも知れません。

私自身の気持ちを言うとするならば…

「新品のノートに初めて書き込む瞬間」の気持ちに似ています。

弓道の試合は、自分が行動しなれば状況が動きませんよね。

この手で矢を射ることで、初めて試合が始まるのです。

まるで自分だけの作品を作り上げるような、ワクワクした気持ちになります。

ちょっと分かりにくいですか。

例えば、新品の的に中てた瞬間って気分がいいでしょ?

その感覚に近い…かも。

失敗の可能性を考えても良いことはありません。

不安や緊張を感じたら、良かったことを思い出す。

試合中の楽しみを見つける。

これはネガティブな性格でも意識すればできます。

メンタルトレーニングも弓道の練習の一つと思って、取り組むことをおすすめします。

>>弓道の試合前の準備体操はこちら

弓道で緊張しない方法【試験や面接・プレゼンでも使われるテクニック】

的

先日「弓道で試合になると中らない人」という記事を読んでくださった人から質問が届きました。

緊張で中たらなくなります。

手汗で滑る・全身が震える・頭が真っ白。

どうしたらいいですか?

今回は、緊張する心をどうコントロールするかご紹介します。

“弓道で緊張しない方法【試験や面接・プレゼンでも使われるテクニック】” の続きを読む

早気のまま試合で中てる【応急処置篇】

的

今までは早気を改善する方法を紹介していました。

今回は「早気のままで」試合で活躍する方法をご紹介します。

こんなことを言うと怒られそうですが、試合が今週あるのに「早気を直せ」と言われても無理です。

弓道の矢所

私の経験から言うと、早気を直すには最低4ヶ月かかります。

高校生や大学生の部活で弓道をしている人は、試合に出られないし引退までに間に合わない人も出てくるでしょう。

早気なりに、早気の戦い方があります。

早気が試合で中らない理由

的

そもそも早気がなぜ試合になると中らないのか。

理由は簡単。

試合になると早気レベルが上がるからです^^;

弓道

いつも会が1秒ならゼロ秒。

普段からゼロ秒なら、口割りまでおりないこともあります。

試合のとき、本能は離れようとするのに理性では練習中のタイミングで離れようとします。

本能と理性でタイミングのズレが起きて、離れがこわばって不自然な形になってしまいます。

逆に言うと、本能と理性のズレをなくせば、練習中と同じくらい中たるということです。

口割りまでおりる人

的

試合でも、口割りまでは下ろせる。

でも、会がゼロ秒という人。

この人は、早気の中でも十分に戦えます。

このレベルの人は、鼻まで引き分けたときから会のつもりで引けば問題ありません。

鼻までおろした時点で会のつもりで狙いを定め、いつ離れてもいいように準備をします。

離れは、本能に全てを任せましょう。

手先の力みをなくせば、むしろ練習中よりも美しい矢飛びになります(経験者談)

口割りまでおりない人は

的

さて問題は、口割りまでおりない人。

私も一番ひどいときは、口割りまでおりませんでした。

早気を克服した今でも、あの時の辛さを忘れることはありません。

この段階ではまともな射ができないことが多い。

それでも次の試合だけは中てたいと言うのなら…

方法がないわけではありません。

弓道

この段階の人は、口割りではなく「鼻割り」までおろして、離れることを考えましょう。

目までおろした時からすでに会のつもりで、心の準備をします。

そして、鼻までおろしたら本能に任せましょう。

私の経験上、鼻までおろせば狙いを定めることは可能です。

目の高さでは無理です。

なぜこんなことが言えるかと言うと、私が実際に試したからです(笑)

私の早気が一番ひどかった時期は、鼻までおろすのが限界。

それでも、試合で8割的中したこともありました。

物見

そして、鼻までおりなくなった時、私の的中率はゼロまで落ちたのです…

そこから、早気を克服するまで4ヶ月かかりました。

詳しくはこちらの記事で書きましたが、離れずに戻す練習を4ヶ月徹底して続けた結果、早気を克服できたんです。

毎日弓を引くのに離れない日々は辛かったですが、会をもって中ったときの感動は、初あたり以上だったのを覚えています。

応急処置は1度きりの諸刃の剣

早気が試合で戦うためには、いつもよりも早めに準備をして離れのタイミングは本能に任せる。

決して会を持とうとか、口割りまでおろそうなんて考えません。

弓道をしている女性

でも、こんなことをすればどうなるか…

早気の人なら分かりますよね。

早気は悪化します。

行くところまで行ってしまえば、早気と真正面から向き合うしかありません。

今回のお話は、あくまで次の試合1度きりの応急処置です。

早気を最終的に克服するには、こちらの記事で書いた練習を繰り返すしかありません。

早気を克服するなら、中途半端が一番ダメ。

口割りまでおりない人でも、4ヶ月あれば直ります。

この4ヶ月、離れをしない練習を徹底できるかどうかが、早気を克服する唯一の方法だと思います。