アカデミー賞などの授賞式では、必ずと言っていいほどレッドカーペットが使われますよね。
なぜレッドカーペットが使われるのかについてお話します。
古代から赤は権威の象徴
紀元前頃から、赤い道=高貴な人々や神々が通るものという考えがありました。
紀元前ではレッドカーペットではありませんが、重要な建築物や権力者の装飾品などで「赤」が古くから使われました。
最初は、太陽や火を神聖視する風習がスタートのようです。
・日本の天照大神
・エジプトのラーやアメン
・インカのインティ
世界中で太陽や火を象徴する神様を崇める風習がありました。
そして、太陽神と皇帝を結びつけて「権威の象徴」としていた文明では特に重要な色とされていました。
ローマ帝国時代に作られたギリシャ神話の壁画でも、赤を基調とした作品がたくさん残っています。
神や権威の象徴として世界的につかわれていたんです。
こうした古代からの風習をもとに、1900年代になると豪華なホテルなどでVIP客のために赤い絨毯が使われるようになり、現代でもステータスの象徴として普及しています。
赤色は生命力の象徴
赤は太陽の色、血の色、火の色であり、生命力やエネルギーの象徴です。
鳥居に赤色が多いのも、生命力に満ち溢れる色で魔を払い、神様の力を高める役割があるからなんですよ。
ファッションで赤い色は、健康的で、アグレッシブで、自信がみなぎっている印象を強める効果があります。
レッドカーペットの上を歩くだけで、歩いている本人も力が湧いてくる感覚になれるそうです。
外から見ている人にも「これからも活躍しそうだな」という印象を与えられます。
赤は写真やテレビで映りが良い
アカデミー賞の授賞式は多くのカメラで撮影されることが前提です。
アカデミー賞に出席する男性の多くが、黒のタキシードやスーツを着用していますよね。
レッドカーペットを敷いていると、タキシードやスーツの黒との対比で写真や映像がきれいに見えやすいんです。
写真やテレビを見た人に美しく見せるためにも効果的なので、多数の人が集まるイベントや式典でレッドカーペットが使われるようになりました。