矢所が左上に集まる原因【胴造りで狙いが狂う】

弓道の矢所

弓道をやっていると、なぜか一箇所に矢所が集まり始めることがありますよねえ。

矢所が定まってくるのは良いんですが、的の外に集まるのは修正したい。

今回は、矢所が左上に集まってしまったときにどうすれば直ったか、私の体験談をお話します。

ある日突然、左上に集まり始めた

弓道と矢所

私の矢所は、どちらかというと12時に外すことが多かったのですが、

ある時、左上に集まり始めたことがありました。

気を抜くとすぐに左上に行ってしまうんです。

弓道してる時に気を抜くな!っていうツッコミが聞こえてきそうですが(笑)

弓道を始めて、1年ちょっと経った頃だったと思います。

とにかく、普段あまり経験がない矢所なので戸惑ったのを覚えています。

諦めて棒立ちになったら直った

3日間、何度も練習して修正しようとしたんですが、なかなか直らない。

狙いを変えるのも気持ち悪いし、どうすればいいのか分からなくなりました。

弓道の体配

3日目の練習終盤で、半ばヤケクソになった私は胴造りも何もせず、

ただ棒立ちで手だけ動かして一射してみたんです。

足踏み

そしたら、スーッと的に吸い込まれていくではありませんか。

一生懸命引いてるときには左上に行くのに、

棒立ちで胴造りできていない状態のときに直ったんです。

不思議ですよね。

何か原因があるはずだと思った私は、胴造りに注目しました。

反り胴は狙いが狂う

試行錯誤した苦労話は割愛します。

結論から言うと、胴造りが普段より反っているとき左上に外すことが分かりました。

胴造りの狂いは、狙いのズレに直結している。

この時、私はようやく気づいたんです。

目では同じ狙いに見えているんですが、

胴造りがいつもより反っていると自動的に左上に狙いがズレるようです。

一度、わざと反った状態で射ってみたので間違いありません(笑)

この現象は割り箸2本でも再現できるのでやってみてくださいね。

割り箸を弓と矢に見立てて、狙いを定めたあと弓(割り箸)を左に傾けると狙いがズレます。

単純な理屈ですが、一生懸命やっている本人は気づきにくいです。

胴造りが苦手な人へ

胴造りが歪んでしまう人って多いですよね。

反ってしまったり、腰だけ突き出て逆S字になっている人とか…

そういう人は、一度棒立ちで手だけ動かして弓を引いてみることをおすすめします。

何なら、足踏みもしなくても構いません。

弓道を続けていると、自分なりに「次はこう動くべきだ」というものができてきますよね。

それが間違っていて胴造りが歪んでいる場合があるんです。

例えば、胸を開こうと意識すると反ってしまうことが多いです。

弓の中に入るという思いが、反る結果につながることがあります。

何か癖を直すときは、普段意識していることを全部やめてみて、

一度無茶苦茶な素人の射をしてみるのもいい経験になると思います。

私は高校生のときは不真面目な弓道家だったので、

座って射ってみたり、足をクロスして射ってみたり、色んなことをしました。

でも、こういう遊びからスランプ脱出につながったことが何度もあります。

みんなも、隠れてこういう遊びやってるんですよね?

きっと私だけじゃないはず^^;

>>弓道が上達しない人へ!見直し力を鍛える

弓道と風の影響【矢の性質の違いで差が出ている】

弓道をしている女性

風の強い日って、矢所が定まりにくいですよねえ。

弓道は風の影響を強く受けます。

ライフル競技でも風の影響を受けるんですから、矢が風の影響を受けないはずがありません。

弓道と風の影響について話題になると、

必ず「矢飛びが悪いから風に流されるんだ」という指摘が出てきますよね。

弓道によくある、「未熟だからダメなんだ」という理屈です。

科学的に解析すると、射手の技術以上に矢の質が原因だということが分かっているんです。

矢はなぜ真っ直ぐ飛ぶのか

ところで、矢ってどんな風に飛んでいるか見たことありますか?

実はどんな達人でも、矢は魚が泳ぐように飛んでいるんですよ。

分かりやすいスロー映像を見つけました。

矢飛びが綺麗な人と乱れているように見える人との差は、

矢のブレがどの時点で真っ直ぐになったのか、タイミングの違いです。

矢飛びが綺麗な人の矢は、中間地点以降は矢のブレが小さくなっていきます。

でも、矢飛びが乱れている人は最後までブレが大きいまま飛んでいるんです。

矢飛びの良し悪しは離れなどの技術も関係しますが、

矢のシャフト部分の性質の違いが大きく関係します。

スロー映像を見ても分かるように、

矢が飛び出した瞬間、魚が泳ぐように進んでいましたよね。

矢は、弓の力を受けるまで静止しています。

静止してる矢に弓の力が加わって前に飛び出すんですが、

弓の力によって矢は必ずしなります。

このしなりを真っ直ぐに戻そうとする作用を「ノバリ」といいます。

理論的には、「ノバリ」が強いほど直進性が高くなり的中率が上がります。

矢が横風の影響を一番受けるのは、矢がしなりながら飛んでいるとき。

つまり、ノバリが弱い矢を使っていると、風の影響を受けやすくなります。

一度矢が真っ直ぐに戻ってしまえば、

横風を受けても羽が回転運動に変えてくれるので狙いから逸れることはほぼなくなります。

安い矢はノバリが弱くて風でブレる

矢を選ぶ時、ノバリを意識する人って少ないですよね。

羽は意識するんです。

七面鳥の羽よりも鷲羽の方がかっこいいとか。

矢の羽根

だけど、シャフト部分の材質にも注目してほしいんです。

矢には竹の矢以外で、アルミ矢(ジュラルミン矢)・カーボン矢・アルミカーボン矢の3つが主流になっています。

一番安い通称ジュラ矢は、耐久性が高くて練習用の矢として優秀なんですが、しなりを戻す「ノバリ」が一番弱いです。

カーボン矢は「ノバリ」が強く、軽いです。

はっきり言って、精度は上がります。

ただし、耐久性ではジュラ矢のほうが優秀なので、

練習用はジュラ矢、本番ではカーボン矢というように使い分けるのがおすすめ。

アルミカーボン矢は、ジュラ矢とカーボン矢の良いとこ取りした矢です。

性能はピカイチですが、一番高いです。

遠的矢と近的矢の違い

風の強い日には、近的で遠的矢を使う人がいます。

長い距離を飛ばす遠的矢は空気抵抗を減らし、風によるブレを抑えるように作られています。

矢のスピードも上がるため、近的で使えば風の影響はほぼ無視できるレベルです。

しかし、的中率は上がりません。ここでも「ノバリ」が関係してきます。

遠的矢

遠的矢は、飛距離を出すために軽量化しています。

そして、軽量化によって「ノバリ」の弱い矢が多いんです。

遠的矢は的に到達するまでに時間があるので、「ノバリ」が弱くてもブレを修正できるのですが、

近的の距離では近すぎて、「ノバリ」による修正が間に合わないことが多いです。

当然、近的では的中率が下がります。

12キロ以下の弱い弓であれば近的で遠的矢を使うのもありですが、それ以上の弓ではデメリットのほうが多いのでおすすめしません。

そもそも、遠的矢を近的で使うとすぐ矢がボロボロになるでもったいない。

遠的矢、近的矢という区分けがされているのは、それなりに意味があるんですね。

弓道場の防寒対策【夜釣り用のカセットコンロストーブで寒さを防ぐ】

弓道場

少し前に個人でできる弓道の寒さ対策についてお話しました。
 
>>詳細はこちらから

道着の下に着るインナーなどを紹介したんですが、

「弓道場の寒さについて対策はないか」という質問をいただきました。

今回は、弓道場の寒さ対策で私が見たことがあるものを紹介します。

ホットカーペットや電気ストーブは定番だが寒い

弓道場の寒さ対策で一番多いのが、ホットカーペットや電気ストーブですよねえ。

道場の中の待機スペースに設置して、

震えながらみんなが集まってる姿をよく見かけます。

道場全体を暖められるわけではないので、体配中とかは寒いです。

あと、見栄えが悪いのですが床全体にダンボールを敷き詰めると寒さが和らぎます。

ダンボールの断熱性って意外とすごいので、

費用をかけずにどうにかしたいときにはおすすめです。

夜釣り用のカセットコンロストーブがすごかった

弓道の足踏み

私が今まで見てきた防寒対策の中で一番すごかったのが、

夜釣り用のカセットコンロストーブです。

1台ではさすがに道場全体を温めることは無理ですが、

普通の電気ストーブよりもかなり寒さを防いでくれます。

吹きさらしの野外で使うためのストーブのパワーはなかなかのものです。

室内用の電気ストーブの3台分くらいの効果があるように感じました。

複数台設置すればかなり道場内の寒さは解消すると思います。

ちなみに私が見た夜釣り用のストーブはこちらです。

弓道の防寒対策用ストーブ

高校生や大学生なら部費で購入するよう頼んでみましょう。