私の従兄弟は中学生のとき
起立性調節障害でした。
このブログで従兄弟の治療体験談をお話してから、
同じお悩みの人からコメントをいただくようになりました。
今回はこのようなご質問です。
私達の生活の必須アイテムになったスマートフォン。
スマホと起立性調節障害の関係を
お話したいと思います。
スマホが持つ2つの大きな影響力
スマホって見始めると止まらないですよね。
大人でもスマホ依存症が深刻ですが、
10代の人たちへの影響力は半端ではありません。
スマホが起立性調節障害に悪影響を与える点が2つあります。
1つ目が、就寝時間が遅くなりがちなこと。
友達とLINEで会話をしたり、
動画を見たり趣味の合うサイトを巡ったり…
スマホが1つあれば、
時間があっという間に過ぎてしまいます。
2つ目は、ブルーライトの光が
自律神経の働きを狂わせることです。
私達の体には体内時計があります。
起立性調節障害はこれが狂いがちなのですが、
スマホによって乱れが大きくなります。
睡眠前に見ると、
眠気を誘うホルモンである
メラトニンの分泌が抑制されるのです。
光による刺激は交感神経を優位にして
リラックスするときに必要な副交感神経を抑制します。
眠れないだけでなく、
神経伝達物質の働きを調整する
セロトニンの分泌が不規則になります。
セロトニンの分泌が正常にできなくなると、
活動すべき時間帯に体が動けません。
やる気が出ず、体が重くダルくなり、
集中力がなくなってしまいます。
夜10時まではスマホを使わせてOK
スマホは私達の体に大きな影響を与えます。
だからといって「スマホ=悪」だと断定するのは
少し早いです。
スマホのおかげで、
休みがちになっても友達とコミュニケーションがとれます。
学校以外の外の世界に触れる
きっかけにもなるでしょう。
単に取り上げるだけでは
かえって精神的に追い詰められてしまいます。
とはいえ、無制限にスマホを使わせるわけにはいきません。
ルールを作って、
その上で思う存分使わせてあげるのがベストです。
生活リズムを整えることを考えると、
夜10時以降はスマホを見させないほうがいいでしょう。
ブルーライトの影響は、
2時間程度続くと言われています。
12時までに寝ると考えれば
夜10時にはスマホを切り上げたいです。
寝室に持ち込ませず、
リビングなどで充電させてください。
そしてルールを破った場合は、
1週間以内に解約してガラケーにします。
(という約束をします)
そして初めてルールを破ったときに
携帯ショップまで子どもを連れて行くのです。
初めてのときは解約せず帰ってきてもいいですが、
2回目は必ずガラケーに切り替えます。
「約束したでしょ!やめなさい!」と何度も怒鳴るよりも
はるかに効果的ですよ。
毎日「スマホを見るのはやめなさい!」と怒鳴るのに
解約などの行動をとらないご両親が多いです。
百聞は一見にしかずという言葉がありますが、
100回怒鳴るよりも1回の解約のほうが効果は抜群です。
光を上手く使えば治療に使える!?第4の選択肢
これまでブルーライトの悪い面ばかり強調しましたが
光を上手に使えば
症状の改善に役立てることもできます。
これまでの起立性調節障害の治療は
食事、運動、血圧をあげる薬の3つが主流でした。
しかし最近になってから、
「光療法」という第4の選択肢が注目を集めています。
私の従兄弟も最初は食事や運動、
メトリジンなどを使った治療をしていました。
でも、なかなかよくなりません。
そんな先が見えない状況の中で、
光目覚まし時計を使った光療法の存在を知ったのです。
神経伝達物質の働きを調整するセロトニン。
このセロトニンの分泌量を増やすために
朝、強い光を浴びることが
効果的だということが分かっています。
本来ならば朝日を15分ほど浴びればいいのですが、
起立性調節障害の人は無理ですよね。
毎日布団から引きずり出して、
太陽の光を浴びさせるのは大変な作業です。
ご近所の目も気になりますし、
親も子どももストレスが大きいです。
そこで注目されているのが、
光目覚まし時計です。
室内で強い光を浴びることで
朝日を浴びるのと同じような効果が期待できます。
光療法ができる光目覚まし時計inti
光療法で重要なのが明るさです。
セロトニンに分泌を促すためには
2,500ルクス以上の明るさが必要だと言われています。
どれぐらいの明るさかというと、
一般的な家庭の照明の3倍以上。
コンビニの照明で1,500ルクス程度なので
それ以上の明るさが必要になります。
ちなみにスマホの明るさは、
画面から15センチの距離で8~30ルクス程度です。
私の従兄弟はこの事実をしってから、
光目覚まし時計inti SQUAREを使うようになりました。
inti SQUAREは、
30センチ離れた距離で3,500ルクスの明るさがあります。
従兄弟はこれを起きたい時間帯にセットして、
布団の中で30分光を浴びていました。
寝起きだけではなく、
朝食を食べているときや
お昼に使うことができます。